0700 静止気象衛星による観測

2010-08-16 更新 旧ブログ記事

気象科学館ネタ、続けます。
静止気象衛星による観測について。

今年(2010)年7月から、地球の衛星写真を撮っているのが運輸多目的衛星「ひまわり6号」から「ひまわり7号」へ切り替わりました。ちょうど6号にある観測機器が設計上の運用期間である5年経ってしまったためです。
(詳しいことは気象衛星センターの「気象観測運用の切り替え」「「ひまわり7号」に関するお知らせ」で)

気象衛星ひまわり7号
現在運用している「ひまわり7号」は、東経145度の赤道上、約35800kmの上空から、日本を含むアジア・太平洋域の雲や台風の様子などの大気の状態や、海氷・海面水温等を観測しています。(ちなみに6号は東経140度のところにいます)

正式名称は「※運輸多目的衛星新2号※MTSAT-2」(ちなみに6号はMTSAT-1R)です。

6号のミニチュア模型がこちら↓

7号もほぼ同型です。

ちなみに一瞬で地球全体を撮影できるわけではなく、一部分しか撮影できないので、カメラを東西に一列分スキャンし、一列終わったら、南に少しずらして次の列を逆方向にスキャンして…と繰り返し、約25分かけて1枚の写真を撮影します。
(↓こんな感じ)

衛星画像は、大人がうでを伸ばした手のひらに載せた、大きめのリンゴに相当する地球を、手ぶれせずに撮影して作るような距離感です。

そうして3種類の画像が提供できるのです。
可視画像(VIS)人間の目で見るのと同じ画像(昼間のみ観測)
赤外画像(IR)赤外線を観測。夜中でも観測可能
水蒸気画像(WV)大気の水蒸気の流れがわかる画像

※運輸多目的衛星
運輸多目的衛星(MTSAT)シリーズは、国土交通省(気象庁および航空局)が運用する静止衛星です。
MTSATはGMSシリーズの後継機としての気象観測の機能(気象ミッション)と航空管制の機能(航空ミッション)を
併せ持っています。設計寿命は気象ミッション5年、航空ミッション10年。
※MTSAT Multi-functional Transport SATellite 運輸多目的衛星。
というか、ひまわり=気象衛星と思っていたら、航空ミッションにも使われていたんですね。。。

ちなみに、ひまわり5号の模型はこちら。(現在は展示してありません。6号の模型をのせている台の下にコッソリ隠されています)

5号まではGMS(Geostationary Meteorological Satellite)シリーズでした。このあたりの歴史的な流れは、ニコニコ動画に上げられている 気象衛星「ひまわり」 シリーズがわかりやすく、そして泣けます。ちょっとアレだけど。
第1話第2話第3話第4話第5話最終話番外編「防人」気象衛星GOES-9
注・べ、べつにこういうのが私の趣味ってわけじゃないんだからね!ちょっとためになりそうと思ったから紹介するだけなんだからね!

気象科学館 2015.8

えらく久しぶりに気象科学館に行ってきました。かつては日本気象予報士会でボランティアとして案内員をやっていたのですが、なかなか活動ができずに何年か前に予報士会自体を休会してしまいました。

今回は数年ぶりの間にリニューアルした部分を取り上げます。

まずは何といっても「ひまわり」です。7号までの話は過去にしましたが(上の記事)、新たに8号の紹介がされていました。
それに伴い、8号の機能日本の気象衛星のあゆみひまわり(1号)8号の初画像などのパネルもありました。

GMS型の1~5号 と MT-SATこと 6・7号

そしてこれが8号と9号の模型

いまでこそCD-ROMなどがありますが、かつて衛星画像はマイクロフィルムに収められていました。

「ひまわり」以前の気象衛星の歴史 ひまわり1号の打ち上げ

別コーナー
防災気象情報を知ろう 君も火山観測員

火山灰詰め合わせ

地震のP波S波を知る装置。

図書館前にも「はれるん」が。

気象衛星ひまわりリンク集

気象庁|気象衛星ひまわり
ひまわり8号リアルタイムWeb – NICT
三菱電機 | 宇宙 | 人工衛星 | ひまわり8号・9号
運輸多目的衛星ギャラリー
JAXA|静止気象衛星「ひまわり」(GMS)
デジタル台風:気象衛星「ひまわり」ビューア – リアルタイムと過去の画像データベース
静止気象衛星ひまわりアーカイブ・ダウンロード情報のご案内|千葉大学環境リモートセンシング研究センター