0114 メタノール
メタノール CH3OH CAS 67-56-1
エタノールと並ぶ代表的なアルコールですが、エタノールは酒精と言われるようにお酒に含まれる「飲めるアルコール」なのに対し、メタノールは木精と言われ「飲めないアルコール」です。医薬用外劇物。危険物4類。
エタノールは体内でアセトアルデヒド→酢酸と分解(酸化)されますが、メタノールも体内でホルムアルデヒド→蟻酸と分解(酸化)されます。ホルムアルデヒドは、シックハウス症候群の原因となった毒性の強い物質で、また、蟻酸も皮膚や目に対して有害な物質です。
メタノールの分解はエタノールと同じ酵素で分解されるため、両者の分解は競合します。具体的にはエタノールの方が先に分解される、つまり、エタノールを飲むとメタノールの分解が遅くなるという効果があります。
これを利用して、万一メタノールを摂取してしまった場合にはエタノールを摂取して時間を稼ぐことは作戦のひとつとしてアリなのです。もちろん、メタノールを吐かせたりするのも有効ですが。
それからメタノールは燃えやすいという性質があります。
引火点は11℃とアルコール類の中で最も低く(ちなみにエタノールは13℃)、常温で火を近づけたら引火してしまいます。
また、アルコールランプの炎からわかるように、炎は青色で見えにいため、引火したのに気づかなかったりするとさあ大変。気を付けましょう。
燃料用アルコール。アルコールランプの燃料に使われる。燃料用だから純度が少し低いのかなと思いきや、メタノール純度99.0%以上と、昭和一級のメタノールと変わらない。ただ御覧の通り紫に着色されている。分かりやすく区別するためですね。
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