0962 タマネギの辛み成分
昔のメールを整理していたら、わくわく理科タイム「タマネギを切っても涙が出ない方法」に関連して、タマネギの催涙作用の成分、硫化アリルのでき方についてもう少し詳しい解説があったので、メールを消す代わりに、こちらにも載せておきます。
硫化アリルはタマネギの催涙作用の成分というと、あまりいい印象はないかもしれませんが、ビタミンB1の吸収を助けて、疲労回復を促進する効果や血液をサラサラにもしますので、そんな悪いことばかりではありません。
タマネギの細胞の中には、硫化アリルのもとになる2つの成分が別々の場所に入っています。包丁で切ることで細胞がこわされ、タマネギの中にある2つの成分が出合って硫化アリルができるのです。
この2つの成分とは無臭の物質「アリイン」と酵素「アリイナーゼ」です。これらが出会うと「アリシン」となり、これはタマネギの辛みの成分で十分にくさいのですが、さらに酸化されて硫化アリルとなります。
で、このアリシンは細胞内の細胞質、アリイナーゼは液胞にあります。同じ細胞内の細胞質にアリシンが、液胞内にアリイナーゼがあり、ふだんは「棲み分け」がなされています。
一方、タマネギの辛み成分として「アリルプロピルジスルファイド」という物質が、タマネギ細胞のいたるところに入っているます。タマネギの他にも、長ネギ、らっきょう、ニラなどの「ネギ類」には含まれているのですが、こいつは、犬や猫の赤血球を破壊し、貧血状態におとしいれ、量によっては命を奪うおそろし~い物質です。だから犬や猫にタマネギを食べさせてはいけないのですね。あ~恐ろしや。
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