1011 【遺伝の規則性と遺伝子1】メンデルの実験

 親から子ができるとき、当然ながら親のもつ様々な形や性質などの特徴、すなわち形質が伝わっていきます。これが遺伝ですね。

 それで、お蚕さんなんですが、明治時代に外山亀太郎さん、って人が白い繭のお蚕さんと黄色い繭のお蚕さんから子供を作らせたら、子供の繭はみんな黄色かったんだって。おい、白、どこいったんだよ。
 さらにその繭の黄色い子供同士で「孫」をつくらせたら、黄色い繭のほかに、数は少なめだけど白い繭が復活してやんの!黄色89個に対し白29個だってさ。
 黄色と白から黄色しか生まれなかったり、親が両方とも黄色だったのに白ができるとか、どうなってんだよいったい。意味わかんねーよ。

課題:親の形質は子や孫にどう伝わっていくのだろうか

 実は外山さんよりちょっと早く、オーストリアでメンデルっていう修道士さんがエンドウで似たようなことに気づいていたのです。
 エンドウというのは自然にしておくと、花粉が自分のめしべに受粉してしまう、自家受粉がおきるのです。そうすると親子孫何代にもわたって、ずっと丸い種子とか、ずっとしわくちゃな種子だとか同じ形質が続くことが起こります。これが純系です。そしてエンドウの種子の形は、丸いか、しわかです。このようなどちらか一方しか現れないライバル関係の形質を対立形質といいます。

 で、丸い種子を作る純系のエンドウと、しわ型の種子を作る純系のエンドウをの子は、たくさんできたのに全部が全部、丸かった。お蚕さんの黄色い繭しかできなかった話と同じだね。

 じゃあ、その丸かったエンドウ同士から種子を作ると今度はどうなるか?そう、少ないながらもしわ型の種子が復活したんだ。丸形5474個、しわ型1850個。

 同じようなパターンはエンドウのさやの色や茎の高さなど、他の形質でも同じパターンでした。ということは、遺伝で伝わる形質には、何らかの規則性がありそうだよね。それを考えていこう。

メンデル解題:遺伝学の扉を拓いた司祭の物語

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