1638 原子力・放射線に関する教育職員セミナー2009 @近大原研

 原子力体験セミナーは 平成21・22年度に「原子力・放射線に関する教育職員セミナー」と名称が変わりました。平成20年告示の学習指導要領の先行実施により、中学校では「放射線」を3年生で学習するようになったことから、放射線についてどう教えるか、という中学校理科教師のニーズにこたえるというところもあったと思います。その他、以前のセミナーで事務局の方から聞いた話をもとに、受講者数(講習回数、使える会場)を増やし、かつ予算を押さえるため、宿泊や施設見学なしで、簡単な実験はあるものの、座学をメインとした講習会を多く開講したかったのではないでしょうか。そうすると「体験」という言葉は使えないために名称を変更したのではないかと邪推しています。

 平成23年には「放射線等に関する教育職員セミナー」とさらに変更しました。これは、同年3月11日の原子力発電所の事故で原子力に関する風当たりが一気に強くなったことから「原子力」なんて言葉はとても使えないからでしょう。

 私が3・11前に行った最後の原子力関係の研修会です。

会場は近畿大学原子力研究所

ここには教育訓練や研究用に使われる出力1Wの原子炉があります。たった1W、たいしたことないと思うかもしれませんが、原子炉の構造は何Wでも基本的に同じで、むしろ、教育用などの原子炉では(少なくとも当時は)最大級のものだと聞きました。

それでマスコット人形「1ワット君」が研究所内のあちこちにいます。

ポケット線量計。着用しました。

ガラスバッジ・ガラスリング。

原子力エネルギー学習室で目を引いたのがウランガラス。

ウランガラスとは、ガラスにごく微量のウランを加えた物です。ウランといっても0.1%程度ですので、人体に影響などはありません。真っ暗闇の中でウランガラスに紫外線を当てると、蛍光を発し緑色に輝きます。

お約束の実験。べーたちゃんで御影石や塩化カリウム入り肥料などから出る放射線を測定。

燃料体。

中性子で物を透過する実験。飛行機乗るときの荷物検査みたいですね。

 3・11もあったし、もうこういう教員向けの講習会は開かれないんだろうな~と思ったら、2024年も近畿大学主催でこの内容の研修会やっていました。すげぇ。

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