2313 恒星の進化

主系列星

恒星が自ら光るのはつぶれないため!

 恒星はガスが集まってできています。
 そうすると、ガスは、ガス自身の質量による重力(万有引力)によって収縮しようとします。
 そうして中心に行くほどガスの密度が上がっていくわけですが、一方、ガスも指をくわえて潰されるわけではなく、圧力で外側へ膨張しようとする力もあります。こうして潰そうとする重力と、膨らもうとする圧力が釣り合って、恒星は保たれているわけです。

 このとき、内部からの圧力を維持するためには、例のPV=nRTってやつで、大きなPを作るためには大きなT、すなわち高温が必要になります。つまり恒星の中心部は非常な高温になるというわけです。そしたら、熱エネルギーは恒星の中心から表面へ、そして光として宇宙空間へ放射されていきます。

 恒星はつぶれないために、中心を高温にして光り続けないといけないのです。

 ただしこのような芸当は、質量が太陽の質量の0.08倍より大きく(M>0.08M)ないとできない。それより小さいと重力も圧力も小さいために、核融合まで起こらないので、そこから先のストーリーへ進めない。

莫大なエネルギー源

 さて、恒星の中心の高温を保ち続けるためには熱源が必要になります。時間的にも、温度の面からも、とんでもない量のエネルギーを作り出す必要があります。
 その莫大なエネルギー量を作り出すのが、核融合反応 4H→He です。
 核融合でできるヘリウム原子核の質量はその材料の水素原子(=陽子)4個のそれよりもわずか0.7%ですが小さくなります。この小さい質量欠損Δmが、例のアインシュタインのE=mc2にかかれば、c2(光速の2乗)というぶっ飛んででかい係数により、ぼちぼちのエネルギーEになり、恒星の発光を長期間支えているのです。

 このように、中心核で水素の核融合が行われ、重力と圧力が釣り合って最も安定している恒星(の段階)を主系列星といいます。恒星は一生の大部分をこの主系列星として過ごします。

赤色巨星

 しかしそうすると、いつかは中心にあった水素はすべてヘリウムに変わってしまい、水素がなくなってしまいます。その後はどうなるのでしょうか。
 確かに水素は恒星の中心からはなくなりましたが、中心にあるヘリウム(ヘリウムコア)の表面(殻・シェル)にはまだ水素があります。なので、ヘリウムコアの表面で核融合反応が起こります(シェル燃焼)。ヘリウムコアでは核融合が起こらずに収縮し、その外側で核融合が行われることで、外部の圧力は上昇し、星全体が膨張します。 膨張することで、(星の表面)温度は下がり、表面が赤くなる赤色巨星ができあがります。

赤色巨星の例 おうし座のアルデバラン
 
NASA, ESA, and STScI – https://www.spacetelescope.org/images/heic1309c/

恒星の終末

 しかし赤色巨星でもやがて水素はなくなってしまうわけで、その後どうなるか。これは恒星の質量によってストーリーが変わってきます。 Mは太陽の質量を表します。

0.08M  M < 0.46M の場合

 水素のシェル燃焼が終わったら、そのまま冷えて、ヘリウムでできた白色矮星になります。ただし、質量が小さい星ほど寿命は長く、このレベルに至っては宇宙の年齢以上と言われているので、現在、ヘリウムでできた白色矮星の段階に至った星は存在しません。

0.46M  M  8M の場合

 恒星の大きさがこのサイズになると、ヘリウムから炭素や酸素をつくる核融合反応が可能になります。水素の核融合はT≥107Kで起こりますが、ヘリウムの核融合だとT≥108Kレベルの高温が必要になってきます。この温度を保つには、一定以上の星の大きさが必要になるのです。
 ただし、炭素の核融合までは起こらず、外層部のガスが放出されて白色矮星が残ります。

惑星状星雲 (Planetary Nebula)

 このサイズの赤色巨星を経た星は自らの外層大気を放出し、白色矮星が残ります。
 この残った白色矮星の表面温度が数万度以上になると強力な紫外線が放射されるようになり、これにより放出した外層のガスが電離して光っているのが惑星状星雲です。
 なお、「惑星状」といっても、惑星っぽく見えていたのでそういう名前を付けてしまっただけで、実際には「惑星」とは関係ありません。
惑星状星雲 こと座環状星雲M57 (NASA)

M  > 8M の場合

 太陽質量の8倍を超えると、いよいよ炭素や酸素も核融合し、さらに重い物質をつくる核融合が起こります。そうして最終的には原子核として最も安定な鉄Feが作られます。
 ところが、Feが最も安定な原子核なのでそこからは核融合が進まない。つまり熱エネルギーを確保できないという問題がおこります。
 今までつぶれないように核融合で熱エネルギーを出してきたのに、肝心の核融合ができないとなると、重力によって恒星は押しつぶされていきます。

M<10M のときは、原子核の周りをまわる電子が圧力に屈して原子核の中の陽子とくっつき中性子になり、原子核だけになるので一気に収縮します。
M>10M のときは、鉄はエネルギーを取り入れて、ヘリウムと中性子に分解されるという、核融合と逆の反応が起こり(鉄の光分解)ますが、これは吸熱反応のため、エネルギーが急激に吸い取られてこちらも一気につぶれていきます。

 どちらにしろ、これにより重力崩壊型超新星爆発 (またはII型超新星爆発) が起こります。超新星爆発で元素をバラまき、その後に中性子星、さらにはブラックホール(M>30Mのとき)が残ります。

 超新星爆発にはII型超新星爆発の他に、Ⅰ(Ia,Ib,Ic)型超新星爆発もあります。

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