ヒントは日本画にあり!
ヒントは、日本画にありました。
日本画の技法に銀焼きという方法があります。
銀箔を硫黄の粉末や液体を塗布して布をかぶせ、アイロンで加熱します。すると、銀箔と硫黄が結びついて硫化銀になるのですが、硫化の度合いによって色が変化していくのです。
スライドにある切手の図案は尾形光琳という江戸時代の画家による「紅白梅図屏風」で、現在は国宝になっています。この川の流れを表した曲線の部分がもともとは銀色で、ここが硫化したのだそうです。
この反応は、鉄と硫黄に代わるのではないか、と考えました。

実験の手順
手順としては、まず銀箔を用意します。
ただし、市販の銀箔だと127mm角なので実験をするにはそこまで必要ありません。3×3で9枚に切ってしまえば、9班編成のクラスなら1枚で1クラス分の実験ができます。
なお、銀箔は静電気で張り付きやすかったり、エアコンや人が動く風で飛んでしまうなど扱いが難しいので、切るときは銀箔に和紙や「あか写し紙」とよばれる箔がつきやすい紙を重ねてセラミックス包丁で切ると切りやすいです。
そして小さく切った銀箔の面の一部に硫黄の粉末を、薬品の小さいほう摺り切り1はい、精密な天秤ではかったら0.05gでした、これをできるだけ広げてのせます。

さらにその上にろ紙を重ねて
またその上をアイロンをろ紙の上から20秒ほどおさえて外します。
温度設定は中です。アイロンの中温度は140℃から160℃なので硫黄の融点の113℃を超えますので硫黄が液体になり、反応しやすくます。
銀箔はどうなるでしょうか。動画で見てみましょう。
時間短縮のために編集したため、アイロンはすぐ外したように見えますが、実際はアイロンで20秒ほど加熱しています。
アイロンの時間が長かったり、アイロンの間に挟む紙が薄いと、注意しないとわからないレベルですが、硫黄の蒸気のにおいがすることがありますので、加熱時間は長すぎないことが大切です。
はい、ご覧のように焦げたような感じになりました。

さて、この銀箔のうち、銀色のままの部分と、黒く硫化した部分について、電流が流れるか調べてみました。こちらも動画で見てみましょう。
端っこの銀色のところでは豆電球がついて、黒いところではつかない。もう一度、つく、つかない。
ということで銀のままのところと、硫化したところで、色のほか、電流が流れるかという性質の違いが確認できました。性質の違ったのは、違う物質になったから、という硫黄と鉄の時と同じ考察ができるわけです。
なお、喘息もちで人一倍この手のにおいに敏感な私ですが、加熱時間が30秒以上など長時間加熱するなどしなければ、硫黄の蒸気などのにおいはしませんでした。

銅箔、鉄箔の場合
ちなみに他の金属の箔でも同様に実験してみました。
銅箔、ここでは銅箔テープを使いましたが、銀箔ほどでないものの硫黄と反応して黒くなりました。ただし黒い部分も電流は流れます。
一方、鉄の箔では、この条件では変化が見られない、反応しませんでした。鉄とイオウの実験の時もガスバーナーでしばらく加熱しましたから、アイロン程度の熱では反応が始まらないということだと思われます。



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