白金台にある港区立郷土歴史館の建物は、
あのロックフェラー財団の寄付により設立された、旧公衆衛生院でした。
なんか荘厳というか
しかし、この、これでもか!というような厳格な内田ゴシック抜きでは語れませんよね。

はいってすぐの2階中央ホール。この時点でうぉっ。って感じです。

そのわきにあるのがエレベーター…とおもいきや、ドアのところが壁になっています。ボタンや階数表示もありますが、点灯していません。
このエレベーターは公衆衛生院時代には使われていたのですが、改修で別のところにもっといいエレベーターを設置し、エレベーターシャフトはパイプスペースになっています。ですが、改修前葉ここにエレベーターがあったよ、とあえて残しているのです。
このエレベーターに限らず、「ここは改修したよ」「ここはオリジナルだよ」とあえて分かるように改修したのだそうです。
例えば4階のこの部屋は現在は休憩室として使われていますが、当時の様子をなるべく残そうとしています。旧講義室だったらしく、黒板なんかも残っています。

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この机はもともと排気口(でしたっけ)なんかに使われていましたが、改修でいらなくなったので捨てるにはもったいないということで机にしてもらったそうです。
で、この部屋、2つドアがあるのですが…おわかりいただけただろうか。

残しておいたオリジナルの扉と改修して取り付けた新しい扉です。
当時のことが分かるようにオリジナルの扉もいいのですが、幅が狭く段差があります。
つまり、バリアフリーの視点から言うと、問題があるわけです。
そこで、2つある入口のうち片方を幅広で段差のないものにすることで車いすもOKなバリアフリーが実現できるわけです。こんな感じで、活用する文化財ではあるあるですが、残す部分と活用する部分をうまく工夫しているわけです。
旧院長室

旧次長室
旧院長室、旧次長室は中に入れません。外から見るだけです。これは単に展示物の保護、という側面だけではなく、部屋に人が常に入れる状態だと、「居室」になってしまい、消防などの規制が厳しくなり、いろいろこのままで残せない部分が出てきます。そこで、人が普段はいらない「倉庫」扱いにして部屋に手を加えないでいいようにした。つまり、保存を優先したわけですね。なんかかっこいいな。
旧講堂



この旧講堂、340席もあるのですが、使うことはできません。椅子にも座れません。
これだけ広いと、消防法では万一の時には2方向避難ができるように非常口を設置する必要があります。この場合だと舞台側にも非常口が必要なのですが、そんなものはないので…。
ま、この程度の集会場ならほかにもありますからね。港区ですし。
そういうわけで、文化財の保存と活用という意味では、結構保存にバランスを置いている印象。いいなぁとは思いますが、お金のある港区だからこそできるのかもしれないなと。
そうでなきゃ、講堂とか使用料もたんまり取って活用されてますよ。無粋な緑色の非常口のランプや真っ赤な消火栓をたくさんとりつけて。(いやその必要性も十分理解していますが)

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