0778 大手町時代の気象科学館(5)

雨粒の形(2011-01-20)

空から雨が降ってくるとき、雨粒の形はどんな形でしょう。
それを教えてくれる装置が、気象科学館にはあります。竜巻発生装置「たつのすけ」と並ぶ、気象科学館の秘密兵器、その名は「ぽたりくん」です。
こんな装置です。


 「ぽたりくん」の装置では、上の丸い部分(整風フィルター)から空気を上へ流します。そこに上から洗瓶をつかってしずくを垂らすのですが、

そのしずくは下からの空気の流れで落ちないで、ふわふわ上下します。

 つまり、下から上へ空気を流しているだけ、といえばそれだけなのですが、完全にまっすぐに上向きの風を吹かせるというのも意外に難しい。というのもある程度太さがあると斜めになったり、回転流ができたりします。それをどう防ぐかというのが「ぽたりくん」の神髄と言えましょう。

上のふた(整風フィルター)がこれです。これを開けると、

中にハニカム構造があります。ちょうど縦にたくさんストローを並べたようなかたちになっています。これで、きれいに上向きの風を送り込み、落ちてくるはずの雨粒を止めるわけです。

ハニカムの一部の穴に水が入って詰まったりすると、空気の流れが乱れる原因になりますので、そんなときはエアダスターで吹き飛ばします。

では、どんなかたちでしょうか。見てみましょう。(この撮影には苦労しました。。。)

どうでしょう。完全な球形ではなく、少し下がつぶれたおまんじゅうのような形にみえませんか。
球形が、下からの空気抵抗を受けて少しつぶれてしまうのです。

姫路科学館が発行する「科学の眼(まなこ)」にも詳しい解説が載っています。

聖地巡礼

Posted by rikaniga