今度の東京農工大学科学博物館の企画展のテーマは岩石標本。農工大のイメージからするとちょっと意外です。地質学や岩石学のような地球科学系の学科はないと思ってたら、農学部生物生産学科に土壌学教室という伏兵がおりました。なるほど納得。そちらの研究室の名誉教授であらせられる方のコレクションの初公開!というわけです。
企画展の期間が1カ月強と同館の企画展としては短めなのは、同じ大学ないとはいえ科学博物館自身の所蔵品でないからかもしれませんね…
日祝が閉館なので、平日はもちろん、下手すりゃ土曜出勤もある私にとっては行ける日がかなり限られるため、期間が短いと日程調整がつらいのですよ。
企画展は1階と2階に分かれ、前編では1階の石灰岩、化石、鉱物と3つのコーナーをみてみます。
朗報!!
今の企画展の主役である 黒部隆名誉教授 岩石・鉱物標本コレクション が3月21日から東京農工大学科学博物館デジタルアーカイブにで公開されます。
こんなブログよりそっち見た方がいいね👍 (2024/3/16 追記)
石灰岩の旅
石灰岩で1コーナー作るこだわりに拍手!
日本にある石灰岩はもともとは石炭紀からペルム紀にかけて、暖かい海にあるサンゴ礁にいた生物の死骸が蓄積されて石灰岩になり、それが海洋プレートに乗っかって移動し、それが日本列島の大陸プレートにぶつかってくっついた「付加体」なのです。おかげで日本の石灰石の自給率は100%になりましたとさ。めでたしめでたし。
この仕組みを示した教材がこちら。青い波模様を描いた白い布(海洋プレート)の左半分の上に緑の板(大陸プレート)が固定され、布の上には石灰岩の「島」を置く(どうも布の下と島の底には磁石をくっつけているようです)。そうして布を大陸プレートの左側から引っ張ると、「島」も一緒に大陸プレートに近づき、ぶつかったら大陸プレートに付加します。
もう少し改良すれば、高校の地学の教材として売り出せるんじゃないの?(中学では付加体について扱わないんだよな)
ウミユリ、フズリナ石灰岩
腕足類の化石を含む石灰岩
化石
古生代からはオルドビス紀のディアカリメネ(左)、東大の地質図コレクションでも見ましたね。
石炭紀のリソストロチオネラ
同じく石炭紀のアルキメデス
中生代は白亜紀前期のプテロトリゴニア
白亜紀後期のスピノサウルス
新生代からはマンモスの第三大臼歯
鉱物
紅石英 Tiを含む 紫水晶 Feを含む
草入水晶(ルチルや電気石が草に見える)。煙水晶(Alを含む)
メノウ、玉髄、縞瑪瑙
ラブラドライト(曹灰長石)
黄鉄鉱(六面体)
金雲母
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