2185 シアルとシマ、そしてニフェ/クラーク数

シアルとシマ、そしてニフェ(2020-04-30)

秋田大学の通信講座の「一般地質学」でアイソスタシーの続き。また、古い用語を掘り下げてみます。

地殻は大陸性地殻と海洋性地殻に区分され、そのうち大陸性地殻はさらに上下2つに分けられ花崗岩質の上部地殻はシアル(sial)、玄武岩質の下部地殻はシマとも呼ばれる。海洋性地殻は平均の厚さが約7kmで厚さの変化が小さく非常に一様である。そしてシアルを欠くと。

大陸性地殻
 上部地殻(シアル)…花崗岩質 Si Al(←「シ・アル」)
 下部地殻(シマ)…玄武岩質  Si Mg(←「シ・マ」)
海洋性地殻(シマ)

そうすると、大陸性地殻の下部地殻と海洋性地殻はどちらも玄武岩質のシマで何が違うんだ何が、と思いますが、
現在では地殻を物質的にほぼ均質であると見なすため、この用語はあまり使われなせん。

というか、シアル、シマはウェゲナーの大陸移動説の時代のもので100年前?、死語だろという扱いです。

で、研究論文とかはおいといて、シアルやシマについて説明したものはないかなと調べてみたら、詳しく載っていたのが、まさかのこの前紹介した、あの本です。
文部省検定済教科書 私たちの科学10 「土はどのようにしてできたか」昭和25年初版、26年再版 です。

そこには、シアル、シマのみならずニフェ(Ni,Fe)層まで図つきで解説がありました。

新しい情報はネットでググればすぐにたくさん見つかるのですが、一方古いテキストの方がわかりやすかったり本質に触れていたりすることがあったりして侮れない、というのが最近明治から昭和の資料を見ての印象です。いやほんとに。

Check it out!
高橋雅紀:東西日本の地質学的境界【第六話】日本海の拡大,GSJ 地質ニュース 6(4),113-120,2017
ウェゲナー「大陸移動説」完成100年に寄せて
Über Nahbelben und über die Konstitution des Erd und Mondinuern,Geographical Review of Japan 4(3),330-344,1928

クラーク数 (2020-05-05)

一般地質学は第3章 地球の組成 にはいります。

(1)地殻の平均化学組成についてクラークとワシントンが調べました。
(2)ゴールドシュミットも別の資料ややり方で地殻の平均化学組成を調べました。
(3)両者の結果はほぼ一致しています。
(4)全く違うやりかたで同じ結果なので、これは信ぴょう性が高そうですね。
(5)ただしこの時代は海洋地域の調査が遅れていて、試料は大陸性地殻が中心だった!
(6)そこで、ポルデルバートが海洋性地殻も含めて計算したところ、クラークとワシントンのデータとちょっとずれる
 SiO2、Na2O,K2Oが低く、Fe,Mg,Caが多い
→そのずれこそ海洋性近くが玄武岩でできていて苦鉄質であることがわかります。
(7)そうして明らかになった地殻における元素の存在度を調べると質量比でO、Si、Al,、Fe、Ca,Na、K、Mg(おっしゃられてかそうかま)の順
そういや私立で非常勤講師やってたとき、クラーク数の学習で、教室の電気をいきなり消して「暗ーくする」とかテンションの高い授業をやっていたなぁ。

これはクラーク数じゃないか、ということでちょっと調べてみたら、
海老原 充: クラーク数: 消えゆく数値?(どうやってそれを求めたの 1),化学と教育,46(7), 428-431,1998
のような感じでまた斜陽な雰囲気が…。

小沼直樹:地殻の元素存在度(<特集>自然環境と化学),化学教育,20(3),163-168,1972
小野千恵子・丹治耕吉・安藤直行・片田正人:岩石の平均化学成分とその図示 3. 地殻,地質調査所月報 26(9),445-453,1975

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