次は中教出版の教科書を見てみましょう。
中教出版とは瀰瀰百科によると
1942年から2004年まで東京に存在した出版社。事実上の戦時統合により発足した「国策会社」とされ、「中等教科書の一元的発行会社」であった。敗戦後、教科書出版の統制が緩和された後は、辞典など工具書の分野にも進出。『例解国語辞典』の版元として知られる。
国際標準図書番号(ISBN)における出版者記号は「483」。ただし日本図書コード管理センターの「登録出版者の照会」によると483は株式会社中教のもので、中教出版株式会社は「9901141」、中教出版は「483中教に同じ2004年倒産」と注記がある。中教出版株式会社の教科書発行者番号は5、株式会社中教は223。
とあり、たしかに日本図書コード管理センターの登録出版者の照会で中教出版を検索すると「出版活動停止」「483中教に同じ2004年倒産」と出てきます。
ということで戦前に教科書供給を集中させるために作られた会社のようですが、現在は倒産して解散した会社ということになります。盛者必衰。
で、教科書を見ていきましょう。まずは1年生
1年で栽培、製図、木工、金工という枠組みの三省堂版と変わりません。ただ、例えば栽培なら、三省堂ではサルビアを前面に出していましたが、中教ではキクにウエイトを置き、木工も三省堂は本立てですが鉛筆けずりばこにマガジンラックと微妙な差異があります。
製図のところ。
定規を検査するという発想はなかった…。また、セルロイド定規の目盛りは不正確なものが多いのだそうです。
ディバイダ。そうういえば気象予報士試験でもコンパスとディバイダを用意しろ、と言われました。でも結局使う場面がないまま終わってしまいましたね…。
正八角形の作図法が載っています。思ったより簡単!
奥付と裏表紙。
そして2年生
三省堂のときも思ったんだけど、ちゃんとあのごつい機械を中学生が操作するんだね。
いろいろ作ったりしてそんなに時間があるのか…と思ったら、この時代は3学年とも週3時間なのね。しかも完全に技術科だけで家庭科がないからこれだけのものが作れるのか…。ミシンの機械をいろいろいじくっても、お裁縫はしないし。
3年生の教科書は見つからなかったです…。なぜだ。
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