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0690 百葉箱に何入れる?

小中一貫校の先生から
百葉箱の中には何をそろえたらよいか教えてください。
という内容のご質問をいただきました。

小学校では4年生で天気による1日の気温の変化を学習します。
中学校でも2年生で気象観測を行います。

さて、地上気象観測で測定している気象要素には、気圧・気温・湿度・風向・風力・降水量、そして天気などたくさんの気象要素があります。
百葉箱で扱えるものといえば 、気圧・気温・湿度の3要素です。

なので、自記温湿度気圧計があると中学の授業にも使えて便利です。


写真は気象庁気象科学館蔵の、上から自記温度計、自記湿度計、自記気圧計です。この3台がタテに並んで1台になったものが自記温湿度気圧計です。

機種選定のポイントは(値段は別として)、記録計が1周するのに何日かかるか。
小学校でしか使わないならば1日用で十分ですが、中学でも使うならば7日に切り替えられるタイプのものがよいでしょう。毎日紙を取り替えないでよいですし。
ちなみに30日で1周する設定もありますが、1時間レベルの読み取りができないのであまりおすすめしません。

消耗品としては、記録用紙、ペン、インクがあります。インク切れは忘れた頃にやってきますし、ペンのキャップは必要なとき(記録計を使わないとき)にどこかへいってしまいますし(必要でないときにはじゃまなくせに!)、記録用紙は買おうと思ったら型番がわからなかったり、廃盤になってて買えなかったりするので、一緒に予備の分を買っておくことを強くお勧めします(すべて体験談)。

自記計器の仕組みについては、株式会社安藤計器製工所のサイトが詳しいです。
 自記計器はよく「自記記録計」と言われてるけど、「自記」は「自動記録」の略なんだから、自記記録計っていったら自動記録記録計ってことになってしまう。おかしくね?

また、パソコンに強い先生がいらっしゃるか、予算が潤沢に有り余っているならば、百葉箱で測定したデータをパソコンに自動的に落とすこともシステム的には可能です。
ただし、個人的にはパソコンのデータよりも、線の曲がった方眼紙にインクでかかれたアナログなグラフを子どもたちに見せたいと思っています。異論は認める。

…とやや専門的な話になりましたが、もしかしたら理科の苦手な先生だった場合、メンテナンスもあり、少々負担かもしれません。

小学生に体験として百葉箱を使った気温の継続的な観測させるならば、乾湿計をつるしておけばよいのかなと思います。さらに、最高・最低温度計も入れておけばおもしろいでしょう。

ちなみに百葉箱の歴史については、東京都環境科学研究所の論文「日本における百葉箱の歴史と現状について」が詳しいです。とっくの昔に気象庁では気象観測に使っていないんですね。

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