0164 U字型最高最低温度計

 最高最低温度計は最高温度と最低温度をはかるための温度計です。ってそのまんまですね。

 これがU字型最高最低温度計です。文字通りU字型で、下にある赤いものは磁石です。
 最近は見かけなくなりましたので、逆に手元にあった人が使ってみようと思っても使い方が分からず、困る人も多いようです。旧ブログで、この記事を載せたら「使い方が分かりました。ありがとうございます」というコメントもいただきました。
U字型最高最低温度計

温度の読み取り方

  左側が最低温度、右側が最高温度を示します。これらが下側でつながってU字型になっています。 
 よく見てみると、管の中には水銀の他、赤と青の棒みたいなもの(指示棒といいます)が入っています。これで最高・最低温度がわかります。写真だと最高温度は右の管の赤い指示棒の下の部分を読むので32℃ってとこですね。水銀が現在の気温をさしていて、18℃とわかります。

 初めて使う人が注意しなくてはならないのは最低温度の方です。この温度計の球部は左側の管のいちばん上のところにあるので、めもりの上の方が低い温度、下の方が高い温度となります。0より上だと零下になるのです。こちらも水銀が現在の気温をさしていて、18℃とわかりますね。最低温度は青の指示棒の下の部分を見て10℃と読めます。

棒は磁石で動かせる

この赤と青の棒は磁石で動かすことができます。
なので、今からの時間の最高気温と最低温度を測りたいとき、写真のように、水銀の両端に赤と青の指示棒を磁石であわせておきます。

 この状態から気温が上がれば、右の管の水銀は上がり、左の水銀は下がります。すると、水銀が赤い指示棒を押し上げるのです。その後、気温が下がったら、左の水銀は下がりますが、赤い指示棒はその位置でとどまります。こうやって最高温度がわかります。

 同様に、気温が下がれば左の管の水銀が上がるので、青い指示棒を押し上げます。その後、気温が上がると左の水銀は下がりますが、青い指示棒は押された位置でとどまりますので最低温度がわかるというしくみです。

 ちなみに、振動などの影響で水銀が切れたり、毛細管に気泡が入ったりする場合があります。でも大丈夫。水銀が切れたら温度計上部をもって2・3回ふり下げるともとどおりにつながります。毛細管に気泡が入ったら、左側上部の球部をお湯などで温めると、右側の上部に入って解決します。うまくできていますね。

 ただ、最近は水銀の扱いがかなり厳しくなりましたので、適切に廃棄しようとするとなかなか大変です。劇物ではなく「毒物」ですので、取り扱いには十分な注意が必要です。とりあえず割らないよう…。