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0857【電流と磁界4】磁界中の電流が受ける力2 モーターの仕組み

モーターの仕組み自体は、難しい、というか、ややこしです。
つか、これだけややこしく理解度の低いものが、なんであの平成10年度の学習指導要領でも残ったのかが謎です。もっと易しいと思われるものもバンバン削除されたのに…

モーターの仕組みを理解するには、モーターの立体構造を勘違いせずにきちんと理解できているかが前提です。そのために実物モデルを使っていろいろな角度から見たり、回したりできるといいかと思います。

で、どんな構造なのか。
まず、こんな形の導線があると思ってください。「電機子」と言われるものですが、教科書には、このネーミングは出てきません。モーターの主役みたいなものなのですがね…。


そして、その手前側に、「整流子」というちょっとした小細工を施します。このすごさは後でわかります。


で、この整流子+電機子は 軸を中心にくるくる回ることができるのですが、
整流子をブラシでがっちり挟みます。ブラシは片側が+、もう片側が-と、常に一定の方向で電流が流れています。

この時、電機子を流れる電流は 
ブラシの+ → 整流子・電機子の赤の部分 → 電機子・整流子の青の部分 → ブラシの- 
となっています。よござんすね。

では、電機子の両側に磁石のN極とS極があったらどうなるでしょう。

導線を流れる電流による磁界と、磁石による磁界があるので、力が発生します。
電機子のPQの部分とRSの部分にかかる力の向きについて考えてみましょう。

まず、電流の流れる向きは、
PQの部分はP→Q、つまり手前から奥です。
RSの部分はR→S、つまり奥から手前です。

ところが、磁界はN極→S極なので、PQもRSも右から左へ。

したがって、力の向きは
PQの部分は上方向、RSの部分は下方向と逆向きになります。

ここで、「フレミングの左手」が苦手な人は、
電機子のPQの部分とRSの部分では、
磁界の向きは同じなのに 電流の向きが逆だから 力の向きは逆になる
というところをおさえておきましょう。

逆向きだと、力を打ち消しあうように一瞬思えるかもしれません。でも、この場合、逆向き同士の力だからこそ、2つの力は同じ方向(この場合だと手前から見て時計回り)に協力して回転させているのです。

反対向きの2つの力が同じ向きの回転をもたらす。
ここがモーターの工夫その1.

では、いきおいあまって電機子が半回転したとします。なので赤(PQ)と青(RS)が左右逆になっています。

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