電熱線に電流を流すと当然熱くなる。じゃ、その熱で水を温めてみる。どんだけ水が温まるだろうか。
電池だと時間が経つと弱くなってしまうし、電圧を細かく調整できないので電源装置を使う。
電圧と電流をチェックしながら電熱線に電流を流す。もちろん、何V、何Aかは記録しておく。
ここでは2Ω、4Ω、6Ωの電熱線で、6Vに設定したとしよう。そうすると電流はそれぞれ3A、1.5A、1Aとなる。
この電流の大きさに電圧6Vをかけると電力が何Wかわかる。18W、9W、6Wと。
その熱で水を温める。水は100g。できるだけ熱が逃げないように、コップも発泡スチロール製のものを使う。
それがこんな感じだ。
最初の水温をはかっておき、電流を流しながら1分間ごとに5分まで水温を測る。その結果をもとに、水温の上昇を1分ごとに計算する。
たまにデータ処理で間違える生徒がいるが、引くのはいつも、最初(0分)の温度だ。たとえば1分から2分まで、2分から3分までの「1分間の」水温の上昇を調べているのではない。
で、これをグラフにすると、比例するんだな。これが。
つまり温度上昇は時間に比例する。
そりゃ、2分温めたときは1分しか温めなかった時の2倍温まる、というのはそれはそうだろうと思ってもらえると思うんですよ。
一方、5分後の温度上昇とW数でグラフを書いてみる。
これまた比例。温度上昇はワット数、つまり電力にも比例するんです。
これは時間ほどではないけれど、電力もそういうものなのね、と感じてもらえるのではないでしょうか。
電力は温める速さみたいなもんだと。そう考えれば同じ時間なら進んだ距離は速さに比例する、みたいな。
温度上昇は電力を固定すると時間に比例する。
温度上昇は時間を5分というふうに固定すると電力に比例する。
つまり、温度上昇は時間と電力に比例する、わけだ。
グラフとその元データはこちら
===余談=========
研究授業でこの実験をやるために某社の水熱量計を買って、意気揚々と実験をしたところ、温度計が折れて届くわ、実験中にある班では電熱線が外れるわ、別の班では電熱線がプラスチック製のかき混ぜ棒を熱で焦がして切るわで、とんでもない代物でした。後日苦情は入れ、営業から謝罪は受けたのですが、いまだにその熱量計は販売しています。苦情を受け、改善されたと信じたいところですが…。
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