1717 炎色反応(2)

炎色反応。今回は脱脂綿にメタノールを湿らせてそこに物質を加えて燃やす方式で行きます。

メタノールとエタノールの違い

なぜ、有害なメタノールを使うのか。エタノールと比較してみましょう。

メタノールはこちら

エタノールはこちら

メタノールは青い炎ですが、エタノールは炭素が多いことから黄色い炎も目立ち、肝心の炎色反応がわかりづらくなってしまうことがあります。そのため炎色反応はエタノールよりメタノールの方がふさわしいです。

メタノールを湿らせた脱脂綿

今回の実験ではメタノールを直接蒸発皿に入れるのではなく、メタノールを脱脂綿に含めてそれに火をつけます。

どうしてか。カリウム(炭酸カリウム)を含ませたもので見てみましょう。

K カリウム の場合

メタノールと炭酸カリウムを直接蒸発皿に入れた場合

メタノールと炭酸カリウムを脱脂綿に吸わせた場合

 蒸発皿に直接だと、炎色反応の色が出るのに時間がかかりましたね。ところが脱脂綿の方では最初から色のついた炎です。どうしてこうなったかは分かりませんが、うまくいった方を採用しました。

 というか、カリウムの炎色反応は紫色なんですね。菫色、と言ってもいいかもしれません。

Na ナトリウム の場合

塩化ナトリウム、つまり食塩を使ってみました

黄色い炎になりました。この色はガラス細工でもみられますね。あのガラスは、SiO₂(二酸化ケイ素), Na₂O(ソーダ灰), CaO(石灰)を主成分とするソーダガラスということでナトリウムの炎色反応がみられるのです。

Ca カルシウム の場合

塩化カルシウムを使ったのですが、瓶のふたが緩かったのか、中が思いっきり吸湿していてべちょべちょになっていました。試薬として使えねーだろ。今回は使ったけどw

橙赤色になりました。

Sr ストロンチウム の場合

うちの理科室には硝酸ストロンチウムがなぜかあります。炎色反応の実験意外に使い道がないのだが。

カルシウムとあまり色の違いがなさそうですが、ストロンチウムの炎色反応はよく紅色と言われていますね。言われてみればカルシウムに比べて黄色っぽさがないです。

Cu 銅 の場合

塩化銅(Ⅱ)を使ってみました。

きれいな緑色です。しかも少量でもしっかりはっきり色が出て助かります(何が)。

B ホウ素 の場合

 高校の化学で炎色反応といえば、「リアカー無きK村…」という例の覚え方にもあるように、銅を別とすればアルカリ金属やアルカリ土類金属の元素なので、非金属のホウ素でも炎色反応があるというのはノーマークだった人も多いんじゃないでしょうか。
 はい。実は色が出るんです。
 ホウ酸を使って調べてみましょう。

 黄緑色ですね。ところどころオレンジ色も混じっていますが、脱脂綿によるものでしょうか。
 黄緑色といえばバリウムなのですが、やってみてもイマイチうまく色が出ません…。
 ちなみにリチウムは物質自体がうちの学校にはなかった…