2010-09-18 旧ブログでの記事(リンクは修正)
少し前にこんなニュースがありました。
28日午前2時20分ごろ、長野市東和田の長野日大中学・高校で火災警報器が作動した。
宿直の用務員が調べたところ、南校舎1階の理科準備室の机の上でプラスチック製の容器や書類の束が燃えており、バケツの水で消し止めた。
同4時20分ごろにも同準備室の棚から出火、実験用具やその内容物を焼き、教員が消火器で消した。いずれもけが人はなかった。
同校によると、理科準備室は中学と高校の共用で、出火当時は施錠され、侵入された形跡もなかった。
中学、高校とも夏休み中で、28、29日に予定していた科学部の合宿のため、高校生部員らが27日午後2時半ごろから同準備室と隣の理科室を使い、
同3時ごろ退室する際に施錠したという。長野中央署が部員にも話を聴いて原因を調べている。
https://www.47news.jp/localnews/nagano/2010/07/post_20100728164845.html
現在はリンク切れ
この事件はその日のニュースで知り、理科室の火災ということで原因が気になっていたのですが、続報はなく、その記事もネットでの掲載期限が過ぎたのか削除され、私の記憶からも消えるはずでした。
ところが、この火災の原因を意外なところで知るのです。
ある化学実験本を何人もの先生で分担して執筆して、それがたぶん来年には刊行されるみたいなのですが、その本に紹介されている実験の一つに「花火」がありました。その実験を掲載するかしないかが執筆者の先生たちの間で議論が始まったのです。
事の発端は、経済産業省から文部科学省に送られた一通の文書です。
この22保安第18号 学校における火薬類を用いた実験について(周知依頼)の<参考1>の4を読んだとき、「なるほど、そういうことだったのか」とすべてつながりました。
ちなみにこの文書の差出人から、当時、火薬行政は経済産業省原子力安全・保安院保安課で行われていたことが分かります。
しかし、これで、仮に火薬類取締法施行規則84条の「十八才未満の者が行い、又は十八才未満の者に行わせることができる危険の少ない取扱い」に当てはまったとしても、花火作りなど火薬を使った実験は粛正されそうな、少なくとも風当たりが相当強くなりそうな悪寒がします。。。
そういえば、新指導要領(注:平成20年告示版のこと)で中学にも放射線が出てきたので、放射能鉱物や霧箱なども教材として使う場面が考えられますが、放射線障害防止法で18歳未満の者は放射性同位元素等を取り扱うことができない規定との絡みが話題になるかもしれません。(実際には、法的にはまったく問題ないかもしれませんが)
2015/8/17 追記
なお、その後、学校活動における火薬類の事故が続いてるじゃないかと、経産省から文科省に遺憾の意を込めて26鉱火第5号 学校活動における火薬類の取扱いについて(依頼) を送っています。
このときは鉱山・火薬類監理官にとそれらしい部署が担当になっていますね。また、<参考1>の事例が、先の文書以降のものであることにも注目。
その後
さらに令和5年に 20230906保局第2号 学校活動における火薬類の取扱いについて(依頼)が発せられています。きっかけは高校のオープンスクールに参加した中学生が、オープンスクールで作成した花火をジッパー袋に入れて持ち帰っていたところ発火、花火を入れていたカバンが焼失したという案件です。
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