繭を作れずに途中で死んでしまうお蚕さんを見て、何とか防ぎたいなと思い、蚕の病気について知りたいと思いました。で、調べたところ池上隆文:カイコの病気と害虫防除資材の素材(2013)に、蚕の病気についての概要がまとめられていて熟読不可避だったのですが、その論文の参考文献としてこの本がありました。
鮎沢啓夫『カイコの病気とたたかう』岩波科学の本,1975
※一見ソフトクリームに見えるかもしれませんが、よく見るとお蚕さんです。
カイコを飼って、成長のようすを観察してみましょう。カイコは卵、幼虫、蛹をへて成虫になる完全変態する昆虫です。カイコのつくる繭からは絹がとれます。子供のころ、カイコが病気で全滅したため一家心中した農家の話を聞いた著者は、そうした農村の悲劇を少しでもなくそうと、カイコの病気の研究に取り組むようになりました。
というamazonのサイトにあった本の紹介で、唐突に出てくる「一家心中」のインパクトにもってかれながらも、詳しく読みたいなと思った次第です。実際にはamazonではなく自然科学系の古書店で買いましたが…。
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小学校のときの「蚕休み」や休み明けの一家心中のニュースなどの原体験から、農村問題の解決を志し、大学生の時に山手線の中でカイコの病気を研究している講師の先生にカイコの病気の勉強をしてみたいと伝えた話や、養蚕技術指導員に講演に行ったら「こうすれば膿病を防除できるという話が聞きたい」といわれ壇上で立往生してなんとか早く防除の方法を確立せねばならないと思った話とか、そしてもちろん研究の中身とか、熱い話があり、一気に読み進恵められました。
一方、蚕の飼育の話や、蚕や養蚕の写真、研究に関するコラムなどもあり、じっくり読んだ一冊でした。
とりあえずお蚕さんの病気を防ぐためにきちんと消毒しよう…。



コメント
僕もこの本はもっているのですが、マニアックというか、すごい本ですよね。
岩波科学の本 のシリーズは素晴らしい本が多いと思います。「ぼくらはガリレオ」板倉 聖宣、「数は生きている」銀林 浩・榊 忠男、「関数を考える」遠山 啓、などもいい本だなと思います。シリーズには、物化生地だけでなく数学も入っていて、数学と理科って学校では別のものとして扱われているけど、本来は一つのものなんだなと思わせてくれます。
最近は、こういう気合いの入った本は作られにくくなっているのかもしれません。