全反射とは
屈折角は最大90度です。それより角度が大きいとガラスに入っちゃいますから。
で、ガラスから空気に光が出る場合、入射角<屈折角ですから、入射角が90度より小さいある角度で、屈折角が90度になるところがあるはずです。このような屈折角が90度になる入射角の大きさを「臨界角」と呼んでいますが、それは高校物理の範疇。
では、そのときの入射角より、大きい角度で入射した場合、どうなるのでしょうか?前見た動画ですが、そういう目でもう一度見てみましょう。
入射角が50度くらいのときに屈折角が90度になってしまいました(動画の14秒ごろから)。そして、その前から入射光と屈折光以外の光の進み方があったのに気がつきましたか。
ちょうど境界面を鏡にした時と同じような、反射光がありましたね。それも、入射角が大きくなるにつれ、屈折光は弱まり、代わって反射光が明るくなります。
そ して、ある入射角(ここでは50度くらい)で屈折角90度になると、屈折光はなくなり、反射光だけになります。もちろん入射角をそれ以上にしても同じです。この現象を全反射といいます。
下の写真で、赤と緑の光は光の強さはともかく、屈折してガラスから上へ出ていますが、青い光はガラスから上へ行かない代わりに全部反射しています。この、青い光が全反射の例です。
見えない角度
全反射では、ガラス(水)から空気へ光が行かないということは、水中からだと外(空気中)をみようとしても見えないということです。
水槽の上に青い板を置いてみました。
水槽の左側のカメラからの見え方。水面のところは青い板が見えません。水面で光が全反射しているためです。
手前側でもローアングルから見ると、水面から青い板が見えません。
ただし、真下からだと青い板はばっちり見えます。入射角が小さいからですね。
防水のデジタルカメラを使って、水の中から水面を見た様子です。10秒あたりから水に入って、全反射がみられます。
反射に次ぐ反射
このような全反射は、光ファイバーや内視鏡に使われます。下の画像は石鹸水を入れたメスシリンダーにレーザー光を当てると、何度も全反射を繰り返します。
光ファイバーなどは、曲がっていてもその中を光が全反射をしながら進んでいくのです。
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