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0240 【光と音10】凸レンズの働き(2) 凸レンズの作る像・実験編

 虫眼鏡(凸レンズ)は、小さな物を拡大してみることができますが、虫眼鏡越しに遠いところを見ても、拡大はされず、ぼやけてみえるだけです。
ここで、小さな物が拡大して見えるというのは、実物より大きい「像」が見えるということです。でも、ぼやけているということは像はできていません。

 では、凸レンズと物体、そして凸レンズによってできる像の関係はどうなっているでしょうか。凸レンズと物体の距離を変えて、できる像の位置や様子を調べてみましょう。

課題:凸レンズと物体の距離によって、像のでき方はどのように変わるのだろうか。

 凸レンズと物体、そしてスクリーンを一直線に並べ、かつ、距離がすぐに測れる便利な道具があります。それがこの光学台です。

 まずは、凸レンズの焦点距離を調べてみましょう。
遠くの景色がレンズ越しにさかさまになってスクリーンにピントがあって見える場合、その時のレンズとスクリーンの距離が焦点距離になります。

 この凸レンズの焦点距離は10cmです。

 次に凸レンズを真ん中に置いて、レンズ-電球の距離aとレンズ-スクリーンの距離bを等しくしたままその距離を変えて、スクリーンに像ができたときの距離を調べてみます。

こんな感じにピントが合うところを探します。

 a=b=20cm でした。つまり、焦点距離の2倍ということですね。
ちなみにスクリーンに映っている「と」の文字、つまり「像」が上下左右逆になっているところにも注意してください。

 よく教科書や参考書に「このような像を実像という」とありますが、このような像って、どのような像だよ、と思った人はこちらを読んでみてください。

 では、a=30cm だとどうなるでしょうか。
 電球(実物)がレンズから遠ざかると、遠ざかった距離と同じではないですが、スクリーンはレンズに近づきます。
 b=15cm となりました。ちなみに像はやはりさかさまですが、実物より小さいです。

逆に a=15㎝ のとき、スクリーンに映ったさかさまの「と」の文字が大きくなります。
このとき b=30cm さっきとa,bが逆になっています。

なお、問題集的にはここの「と」の字がスクリーンにどう見えるか、という問題がありますが、スクリーンを凸レンズ側から見ているのか、それとも凸レンズと逆側から見ているのかによって見え方が違います。なのでこの手の問題ではスクリーンをどちらから見ているかにも注意しましょう。

それでは a=10cm 焦点距離と同じ場合はどうなるでしょうか。
この場合、どこにも像はできません。

実験の動画で確認してみましょう。

最後にa=5cmと 焦点距離より小さい場合。
スクリーンに像はできませんが、スクリーン側からレンズ越しに覗いてみると「と」の字が大きく見えます。このような像を虚像といいますが、詳しい話はこちらで。
さっきまでのスクリーンにできた像と違い、逆さになっていない点にも注目しましょう。
…そう、これが虫眼鏡で見たものが拡大されている状態です。

結論:凸レンズと物体の距離によって、像のでき方は次のように変わる。

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