ひさしぶりの相談コーナー。
大変です。某大学の厳しい!という噂の先生に、
太陽の日周運動・年周運動の知識を活用して「冬の満月は高度が高いこと」をモデルを使って生徒が説明する授業をお願いします。撮影に伺います。
と無茶ぶりされました、どうしましょう。
むむむ。切迫感あふれる相談文。よっぽど厳しい先生でしょうか。
私の教員生活を振り返ると、理科に限らず、無茶振りをされ続けて、その無茶振りをひたすら返すことで鍛えられた(というとカッコよさそうですが、実際は降りかかる火の粉を払い続けてやけどを何とも思わなくなってきたといった方が近いかもしれません)ところがあります。無茶振りも成長のチャンスかもしれませんよ
…とコメントしようかと思ったけど、それは「俺の使ったパラシュートが開かなかったぞ!」というクレームが存在しないのと同じで、「生存者バイアス」かもしれませんね。
とりあえず、鳥海山吟醸酒の1本でももっていったらどうでしょうか。
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それはさておき、次に示す私の回答では、「なぜ冬の満月は高度が高いのか」については直接説明していません。でも、考え方は示してありますので、答えを知らない人はすぐにググらずに、回答を一読した後に、なぜ冬の満月は高度が高いのか、考えてみてくださいな。
たしかに、いきなり
「冬の満月は高度が高いこと」をモデルを使って班で説明しろ!
って課題を放り投げただけでは、生徒が途方に暮れるだけでしょうから(それをアクティブ・ラーニングと言ってはいけない)、指導者側としては、普通にその答えを解説する場合よりも、いろいろな細かい仕込みが必要なところです。ここが腕の魅せどころ!
まず、前時までに、たまによくあるネタですが、与謝蕪村の
「菜の花や月は東に日は西に」の月はどんな月かを考えさせる課題を事前にチャレンジさせると今回の課題のヒントとなりそうです。
さらに課題を示すにあたって、「冬の満月は高度が高いこと」を生徒がどこまでそれを認識(経験)しているかに不安があるので、同じ場所で撮った夏と冬の満月の様子の写真が必要かな。
そして、いきなり月と地球の関係を考えるのではなく、まず太陽と地球の関係を考えるという「急がば回れ」的な点は,この謎解きには重要なポイントで、そこが面白い(と私が考える)ところです。
これについては最初の着眼点として「夏と冬では何が違うのだろう?」と指導者が投げかけて地球と月の関係に目が行きがちな生徒に、太陽と地球の関係にも目を向けさせるのもアリだと思います。
これは,以前質量保存の法則の実験のときに出てきた、
ケース1,2と同じように実験したのに今回、結果が違っていたということは、ケース3の実験は、ケース1,2と何か違う点があったはずだ。そこに何か隠されているはずだから、それを探そう。
という課題解決の「攻め方」ですね。
ただ、「夏と冬の違い」ときいて、「気温!」と考えると、軌道修正がかなり難しくなりますので、うまく地球の公転についての学習を思い出させましょう。
厳密には、地球の公転面と月の公転面(黄道と白道といってもよい)の傾きが無視できるところも前提になるけど、ここは目をつぶってよいかな。実際に冬の方が明らかに満月の高度が高いので、こまけぇこたぁいいんだよ!!で切り抜けよう。
追記1・この論点は高校入試にも登場しています。
3(3) 日本において,太陽の南中高度(真南にきたときの高度)を夏と冬とで比べると,夏の方が冬より も高くなる。これは,地球が地軸を公転面に垂直な方向から約23.4“傾けたまま公転しており,地軸の北極側を,夏では太陽の方向に,冬では太陽と反対方向に傾けているからである。
日本において,満月の南中高度(真南にきたときの高度)を夏と冬とで比べると,どのようになると考えられるか。次のア~ウの中から,適切に述べたものを1つ選び,記号で答えなさい。 また,そのように判断した理由を,満月が見えるときの地球,月,太陽の位置関係に関連づけて, 夏と冬のそれぞれにおける,月に対する地球の地軸の傾きのようすが分かるように書きなさい。 ただし,地球の公転面と月の公転面は同一であるものとする。
ア 夏の方が高い。 イ 冬の方が高い。 ウ 夏も冬も同じである。
2014年度 静岡県立高校入試問題 理科
2(3)図3は,地球の公転面と月の公転面の様子を模式的に表したものであり,月の公転面は,地球の公転面とほぼ同一平面にある。次の文の①,②の{}の中から,それぞれ最も適当なものをーつずつ選び,その記号を書け。
日本で満月の南中高度を夏と冬で比べると, ①{ア夏が高いイ冬が高いウ同じである}。また,満月の南中高度を春分の頃と 秋分の頃で比べると②{ア春分の頃が高いイ秋分の頃が高いウ同じである}。
2019年度 愛媛県立高校入試問題 理科
追記2・やっぱり解答を載せておきましょう
2014静岡 3(3) イ 太陽、地球、月の順に並び、地軸の北極側を、夏では月と反対方向に、冬では月の方向に傾けているから。
2019愛媛 2(3) ①イ ②ウ



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