自転と公転
自転とは
ある天体が自ら回ること。1周するとその天体の1日になる。
例:太陽は自転している(黒点の移動から確かめられる)。
地球・月も自転している。
→日周運動(1日1周)は自転による。
公転とは
ある天体が他の天体の周りを回ること。1周するとその天体の1年になる。
例:地球は太陽の周りを公転している。
月は地球の周りを公転している。
→年周運動(1年1周)は公転による。
例題1
太陽や月は、東の地平線から昇り、西の地平線に沈む。この現象が起こる理由として適切なものは、次のうちのどれか。
ア 地球は地軸を軸として、ほぼ1日に1回の割合で東から西へ回転しているからである。
イ 地球は地軸を軸として、ほぼ1日に1回の割合で西から東へ回転しているからである。
ウ 地球は地軸を軸として、ほぼ1年に1回の割合で東から西へ回転しているからである。
エ 地球は地軸を軸として、ほぼ1年に1回の割合で西から東へ回転しているからである。
(昭和60年東京都・2-問1)
ヒント 「東の地平線から西の地平線に沈む」という現象が起こるのは、1日に1回か、それとも1年に1回か?
解説 「太陽や月は、東の地平線から昇り、西の地平線に沈む」ように地球から見える理由を問われているが、選択肢は
地球は地軸を軸として、ほぼ(1日/1年)に1回の割合で(東から西へ/西から東へ)回転しているからである。
という2択×2か所のパターン。
1カ所目。1日か1年か。「太陽や月は、東の地平線から昇り、西の地平線に沈む」という現象は毎日、つまり1日周期で起こっている。したがってここは「1日」が正しい。
2カ所目。自分が前進していると、周囲の景色が後ろに流れるように見える経験はありますか。決して、周囲の景色も前進するようには見えないはずです。つまり、本当は自分が動いていて、周りは止まっているのだけれど、動いている自分にとっては、自分が止まって周囲が動いているようにも見える。その時の周囲の動く方向は、自分自身の動く方向とは、逆向きになります。
この「自分」と「周囲」の関係を「地球」と「太陽や月」の関係に置き換えてみます。
「地球」が止まっていて「太陽や月」が東から西に動いているように見えるということは、「太陽や月」が止まっていて、「地球」が逆方向、西から東へ動いていることになるのです。
したがって、正しい答えは イ となります。
月の特殊性
月は、自転周期と公転周期がどちらも27.3日で一致しています。
このため、月は地球に対して同じ面しか見せない。
と言われますがどうして自転周期と公転周期が一致すると、同じ面しか見せなくなるのでしょうか。
WORK 月の自転周期と公転周期が等しいとなぜ地球に同じ面を見せるのか?
①表の自転(1/4回転、2/1回転、3/4回転、1回転)の欄に・印をつける。
②表の公転(1/4回転、2/1回転、3/4回転、1回転)の欄に月にあたる○をつける。
③あわせると…(1/4回転、2/1回転、3/4回転、1回転)の欄に、①②でやったことを両方やってみよう。
※自転・公転ともに反時計回りに回転する。 ○=月 ●=地球
完成図
「自転」の列では、白丸である月を中心に反時計回りにポッチで示されたウサギさんのお餅つきの絵(文化によりいろいろな例えがされていますが)が回っています。
「公転」の列では、黒丸である地球を中心にして反時計回りに月が回っています。
それらを一つの図にした「あわせると」の列では…
何ということでしょう!( 「大改造!!劇的ビフォーアフター」風に)
月についている「ポッチ」が常に地球に向いています。
つまり、地球から月を見るといつもポッチが見えるというわけです。
それぞれの動きを丁寧にかいてみるとわかりやすいですね。
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