次は季節の話題です。
夏は暑く、冬は寒いですね。これは1年ごとに繰り返されるので、公転が関係していそうです。
公転の図をもう一度出してみましょう。
この図を見ると太陽の周りのどの位置にいるかが季節の違いで、それ以外に特に違いはありませんが、太陽の周りの位置によってどうして暑くなったり寒くなったりするのでしょうか。
地球の公転軌道は円形でなく楕円形だというと、夏は暑く、冬は寒い理由として、夏は地球と太陽の距離が近く、冬は遠いから、と考えるかもしれません。ところが、1年の中で地球と太陽の距離が近づく「近日点」は1月4日ごろ、つまり思いっきり冬ですし、南半球では北半球と季節が逆になるのですが、太陽の距離が理由ならば、北半球だ南半球だと区別せず夏は夏、冬は冬になるはずです。したがって、どうやらこの理由は間違っているようです。
でも、地球にエネルギーを与えているのは太陽ですから、太陽が地球をどう温めているか、というのはポイントになりそうです。
ここで、地球と太陽の関係から一度離れて、ものの温め方の一般論を考えてみましょう。
変なひっかけとかは考えず、単純に次の(1)(2)について、( )内の2つの言葉から正しいものを選んでみましょう。
水を温めるために加熱するとき
(1) 加熱時間は(長い・短い)ほど温度は上がる。
(2) 火力は(強い・弱い)ほど温度は上がる。
沸騰すればどちらも100℃だとかいちゃもんつけずに素直に考えてください。そういう例外を封じようとすると、問題文がやたら長くなります。そうすると普通に考えている多くの人がかえって混乱して、ここでおさえたい本質から離れていきますから。入試問題などで問題文が状況設定や注意や条件などでやたら長いわりに、ききたいことが「これだけ?」ってことがあるのも、これが原因です。ま、受験生より、塾関係者とか各分野の専門家などを意識していますが…。
と、余計な話をはさんでいる間に答えは出ましたでしょうか。
水を温めるために加熱するとき
(1) 加熱時間は長い ほど温度は上がる。
(2) 火力は 強い ほど温度は上がる。
無事正解だったでしょうか。
で、季節の話に戻して、太陽が地球を加熱しているわけですから、その時の加熱時間と火力について考えてみましょう。
ここでの加熱というのは、地球から見て太陽が出ている昼間のことです。
小学校でも、晴れた日は太陽の出る直前が気温が最低で、太陽が出たら気温が上がってきましたね。
とすると、(1)の「加熱時間が長い」というのは、昼間が長いということになりそうですが、たしかに夏の方が昼間は長いですね。冬になると日が暮れるのが速くなります。
以前、 6月、12月、3月の太陽の1日の動きを調べた結果を整理しました。下の画像のオレンジ色が6月、黄色が8月、そして青色が12月のそれに当たります。こうすると、6月は昼間が長く、12月は短いというのがわかると思います。
では、地球の公転のモデルを使って、公転による(季節による)、昼と夜の長さの変化を調べてみましょう。
真ん中に電球をおき、電球の四方には地軸の傾きに注意して、四季の地球をおきます。
つまり、この図にあわせるわけですが
実際にやるとこうなります。
Cの手前側から見た感じです。
ちなみに逆サイド(上の図のAの向こう側)から見るとこうですね。地軸の傾く方法に注目。
ここで、A~Dの光の当たり方をみてみましょう。
Aは3月、春分の時期です。
続いてB(6月)。夏至の時期です。
C(9月)は秋分でヒガンバナの季節です。
最後にD(12月)は、冬至です。柚子湯に入ってカボチャを食べる習慣がありますね。
それぞれ光の当たり方が違いますが、これが何を意味するのか…それは次号を待て!
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