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0774 大手町時代の気象科学館(2)

海洋ブイとアルゴフロート(2010-07-04)

気象科学館の展示物を紹介するシリーズ。

一つは、海洋ブイ。気象通報でおなじみ「次は海洋ブイおよび船舶からの報告です」の海洋ブイである。海上で水温・気圧・波の高さを観測するもの。会場での天気予報や波浪予測に役立っている。これは展示用で、中が見えるようになっている。どこまでも陸地の見えない青い海にこんな黄色いものがポツンと浮かんでいるのもなんか…ねぇ。

アルゴフロート。海面から深海約2000mまでの間を自動的にうきしずみして水温・塩分を観測し、衛星を経由して通報している。現在、全世界で3000台以上のアルゴフロートがせっせと働いており、気候に大きな影響を及ぼす海洋の変動をチェックしているという。こちらも展示用に中が見えるようになっているので、「こんなにむき出しで海水でさびないのかな」とかいう心配はご無用。

高層気象観測(2010-08-15)

 また、気象科学館の案内員をしてきたので、気象科学館ネタをやります。
今回は高層気象観測についてとりあげます。

ラジオゾンデ
毎日2回(朝と夜の8時30分)、気球に取り付けた,ゾンデという名前の観測装置が,上昇しながら上空30kmまでの気圧、気温、湿度、風を測定します。データは,無線で地上に送られます。

気球(使用済)。ゴム製です。ポツンとあるのは穴ではなく、大きさを比較するための10円玉です。

ちなみに、八丈島などでは無人で気球を飛ばしていますが、その中の気体は意外なことにヘリウムではなく水素。水の電気分解で作っているそうです。個人的には「そこで水の電気分解か~!」と感心してしまいました。。。

レーウィンゾンデ(RS2-91型)

GPSゾンデ(RS92-SGP型)

左からGPS受信装置、温度計、湿度計。風のデータは、GPSで求めた各時刻の現在位置から求めます。

下の長い毛のようなものは地上へのデータ送信装置。気圧を測る装置は箱の中です。

よくある質問。
Q.観測済みのゾンデは回収するのですか?
A.回収しません。ほとんど海に落ちてしまうので,取りに行けません(><)
ただし、陸上に着地して拾った場合、ラジオゾンデに記載してある連絡先に連絡すると、回収にきてもらえるそうです。

Q.陸上に落ちることはないのですか。
A.上空の状況や季節によっては陸上に着地することもあるようです。知らない人が爆弾かなんかと間違えて騒ぎになることがあるので、箱には危険物ではない旨、書いています。ちなみに落ちるときはパラシュートで落下するそうです。また、本体は発泡スチロールで衝撃を吸収する工夫もされています。

Q.1個いくらくらい?
A.2~3万らしいです。

Q.こういうものを使い捨てで海などに放置しておくのは環境に良くないのでは?
A.ごもっともです。が、現実的(予算面を含めて)な代替案がないのが現状です。

高層気象観測では、ゾンデのほか、「ウインドプロファイラ」というのもあります。、
 電波を利用して上空約5kmまでの風を観測します。ウインダスと呼んでいます。
 ウインドプロファイラについては、展示物がないので詳細はこちらで。

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