1065 三日月と逆の月

この月の名称を知っていますか。

「三日月」ではありません。三日月はこれとは左右が逆です。
「三日月」というのは新月から数えて3日目の月をさします。満月を「十五夜」というのも新月から数えて15日目の夜だからですね。この月は新月から数えて26日目にできる月です。

この月を「三日月」並みの通称で呼びたいところですが、いい名前がありません。

「26日月」とか「有明」とか呼ばれるのですが、「26日月」はマイナーというかむりやり感があり、いかがなものかと。「有明」については(夜が)明けても有る月、という意味なので、満月の翌日以降新月の前までのすべての月を「有明」と指す解釈もあるようです。いっそのこと「月齢25」とすると、今度は月齢とは・・・から始める必要があり、ムダに話をややこしくするだけですね。困ったものです。

ちなみに、石けんなどでおなじみの会社の「花王」のマークは、途中で月の顔の向きが変わっています。これには深~い理由があります。今回の話と関連がありますので、よかったらちょっと考えてみてください。

そうそう、三日月というと、旧暦三日(ごろ)の月を指しますが、旧暦三日の月は、月齢3ではないんですね。月齢2なんです。新月(旧暦一日)が月齢0だから1日ずれると・・・。頭では納得したんだけどちょっと納得いかない感じです。法律的には誕生日の1日前に年齢が変わる(たとえば4月1日生まれの人は、3月31日の午前0時に満年齢が一つ増えるのです)、みたいな。。。

花王のマークの向きが変わったのは、27日の月だと、これからだんだん月が細くなっていく、三日月の方がだんだんふくらんでいく月の方が縁起がいいという理由だそうです。

一方、国旗なんか見てみると、シンガポールにしろパキスタンにしろモルディブにしろアゼルバイジャンにしろ、ウズベキスタンにしろトルコにしろアルジェリアにしろ、チュニジアにしろ、26日月なんですよね。というのも、国旗に描かれた月は、イスラム教のシンボルである「月と星」を描いたものなんですね。で、その星が26日タイプで、さらにこの「月と星」はもともとオスマン帝国の国旗にあったんだそうです。なぜ「三日月」でない理由はわかりません。

私見ですが、おそらく海外の方には三日月の「縁起」よりも多くの文化圏で字を書き始める「左側」というのが右側より心理的なインパクトがあったのでは??(激しく憶測)