1032 北半球の冬至の日は南半球では夏至?冬至?

冬至です。かぼちゃを食べて柚子湯に入りたいところです。
一方、南半球では夏が訪れており、オーストラリア方面では、サンタクロースがサーフィンしているようです。

では、北半球で冬至の日は、オーストラリアのような南半球では夏至の日、ということになるのでしょうか。
それともやはり北半球の冬至は南半球の冬至なのでしょうか。

そもそも、「冬至(winter solstice)」の定義って何なのでしょう。

国立天文台のサイトによれば、冬至は、1年の太陽の黄道上の動きを視黄経の15度ごとに24等分して決められている二十四節気(にじゅうしせっき)の一つであり、太陽黄経が270°のときをさします。(「二十四節気の定め方」も参照)

ちょっと難しい説明ですが、ここで押さえておきたいことは、「冬至」は(夏至など、他の二十四節気もですが)、太陽と地球の位置関係で決まるものなので、北半球とか南半球とかは無関係なのです。北半球で冬至だったら南半球でも冬至なのです。国立天文台のような天文学クラスタ的には。
したがって、冬至に「北半球では冬、南半球では夏となります。」という説明になるのです。

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)  それはさすがに変だろう。
. |     (__人__)   なんで夏に冬至になるんだよ。
  |     ` ⌒´ノ    夏なら夏至だろ。常識的に考えて…
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ        \
   /    く  \        \
   |     \   \         \
    |    |ヽ、二⌒)、          \

そう考えるのももっともです。
実際、オーストラリアにいる人に聞いてみたところ、12月21日ごろの日は summer solstice と呼んでいるそうです。

オーストラリアの傑出した地球科学の公的組織であるGeoscience Australiaによれば、Summer and Winter Solstice(夏至と冬至)というページに、次のような記載があります。

The summer solstice occurs once a year in December when the Sun’s track across the Australian sky reaches its highest point. It is the day that has the most daylight hours of any in the year. The summer solstice usually occurs on 21 December, but can occur between 20 and 22 December. The winter solstice is the day of the year that has the least daylight hours of any in the year and usually occurs on 21 June but can occur between 20 and 22 June.

日本語に訳してみます。

オーストラリアの空を通る太陽の軌道が最も高くなったとき、年に1度の夏至が12月に起きます。1年の中で最も昼間の時間が長い日です。夏至は普通12月21日ですが、20日から22日の間におこります。冬至は1年の中で最も昼間の時間が短い日で、普通6月21日ですが、20日から22日の間におこります。

そう、ここでは「冬至(winter solstice)」を、みなさんよくご存じの1年の中で最も昼間の時間が短い日としているのです。そうすると、北半球の冬至の日は、南半球では最も昼間の時間が長い日、つまり夏至なのです。
日本でも「太陽黄経が270°の日」よりも、「一番昼間が短い日」という定義の方がなじんでますよね。そもそも太陽黄経って何だ?という人の方が少なく見積もっても日本人の9割以上を占めているでしょう(脳内調べ)。

つまり、「冬至」の定義は
天文学的定義…太陽黄経が270°のとき
一般的な定義…1年の中で最も昼間の時間が短い日
と2つあって、
北半球ならどちらの定義でも同じ日を指すのですが、南半球の場合、天文学的定義と一般的な定義では全く逆になってしまうわけです。

さて、結論はどないしよ?

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