1186 つくってみよう「しんきろう」

 しんきろうという現象を知っていますか。遠くの景色が伸びたり、さかさまになったりして見える珍しい現象です。今回は、天然に見えるしんきろうを紹介します。そして、実験でしんきろうを作ってみましょう。

しんきろうを見たことがありますか?

 しんきろうには下位しんきろうと上位しんきろうがあります。
 下位しんきろうは、実際の景色の下に逆さまになった景色が見える現象です。ビルや島が浮いて見えるように見える「浮島」もこの現象で、日本各地で見ることができます。
 上位しんきろうでは、実際の風景の上に伸びたり逆さまになった風景が見えます。水平線や地平線の下に隠れている風景が見えることもあります。下位しんきろうにくらべると、とても珍しい現象で、日本では富山湾周辺、滋賀県の琵琶湖周辺、そして北海道のオホーツク海沿岸で春先にかけて見ることができます。ふつう、しんきろうというと、この上位しんきろうをさす場合が多いです。
これらの地域に住んでいたり、旅行などで行くことができる人は、これからの季節、上位しんきろうを見るチャンスがありますね。
(朝日小学生新聞「もっとわくわく理科タイム」2008.4.2付)

天然の蜃気楼の画像はここから見られます

個人では天然の蜃気楼の写真をもっていないので、素直にリンクをはります。
北海道・東北蜃気楼研究会ホームページ
琵琶湖の蜃気楼情報

しんきろうをつくろう

上位しんきろうが見られる地域に住んでなかったり、旅行に行けなかったりする人は、上位しんきろうをつくってみましょう。この上位しんきろうは水槽を使ってつくることができるのです。
 まず、水槽の半分くらいに、水を入れます。次にそれと同じ位の量の水に、食塩を溶けるだけとかします。だいたい20度の水100gに食塩は35g程度の割合で溶けます。しっかりかき混ぜて溶かしましょう。ろうとの先にゴムホースをつけ、ゴムホースの先を水の入った水槽の底に沈めます。そしてろうとからゆっくりと食塩水を入れます。水と食塩水は混ざらず、さかい目がはっきりとわかれば、成功です。
次に、水槽の後ろに、人形や絵などを置いて、水槽ごしに、その人形や絵を見ます。水槽から距離を少しづつ離して、見る角度を変えていくと、上位しんきろうと同じく、実際の人形や絵が伸びたり逆さまになった姿が見えます。

(朝日小学生新聞「もっとわくわく理科タイム」2008.4.2付)

ということで作ってみた

蜃気楼をつくるにあたって、食塩がもったいないので、なるべく量を少なくしたい。
実験に使った水槽は「ミルソーⅡ」という、前線の仕組みを実験するための直方体の水槽。厚み約5センチ。

蜃気楼越しに見るのはこのだるまさんです。

これがこんなふうになります。




別の機会にも実験しました

食塩の袋に書いてある「国産塩」の文字が…

4色のペンが水槽越しにどう見えるでしょうか。

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