1397 土の細菌感染リスク

モミジやイチョウを人工的に紅葉させる実験を紹介すべく原稿を書いていたときに、鉢植えを冷蔵庫にいれる操作について、このときに、O-157などの細菌が心配なので、ポリ袋に包んだ方がいいのではないか、という指摘がありました。

なるほど、衛生上の問題ですか。。。

しかし、鉢植え全体をポリ袋に包んで入れると、自然のイチョウやモミジはポリ袋に包まれていないわけですから、環境を再現、というときに少し引っかかるものがあります。
それと、リスクという点からいうと、鉢植えを冷蔵庫に入れたときの細菌による感染リスクって、どのくらいなのかな、とも思いました。

もちろん、大きなリスクがあるとわかっているのなら、ポリ袋に包むこともやむを得ませんし、
それで回避できないならばそもそもこの実験自体を紹介しない、という方法もあります。ただ、そうだとしたら、そういう話がすでに出ているのではないか、とも思いますが、そんな話はまったく聞きません。

では、もし取るに足らないリスクだった場合はどうでしょうか。「ポリ袋に包む」と書く以上は、「細菌感染予防のため」と理由を書かざるを得ません。「念のため」ポリ袋に包むということでも、「土は細菌感染する危険なもの!」という不安感を読者に与えかねません。

ちょうど「この納豆は遺伝子組み換えの大豆を使用しておりません」というメッセージが、暗に「遺伝子組み換え大豆は危ない」と解釈されてしまうのと同じ原理です。

そいつは避けたい。

そう考えると、「ポリ袋に包む」と書くのは、結構抵抗があり、丁重にお断りしたのでした。
(ポリ袋に包んでこの実験を紹介している事例も見あたらなかったし・・・)

後日、記者さんが、モミジやイチョウの枝を冷蔵庫に入れることについて、植物園の方に聞いてみたところ
「野菜を洗わないまま入れるか、洗って入れるかの違いくらいであると思う」ということでした。
菌はどこにでもいるのだということです。

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