0060 金をたたいてどれだけ薄くできるのか
金属の性質に延性・展性というのがあります。
延性というのは物質を引っ張った時に壊れずに引き延ばされる性質、展性というのは物質をたたいた時に壊れずに薄い箔(はく)に広げられる性質のことをいいます。
金は、金属の中でも延性・展性が大きな金属として知られています。
延性については、1gの金は3000mの長さの糸にできる、といろいろな資料に載っています。
展性については、よく「1gの金は1平方メートルまで伸ばせる。その時の厚みは1/10000mm」とか言われていますが、面積1m2で厚み1/10000mmとすると、体積は0.1cm3となります。これに金の密度19.32をかけると、あら不思議、約1.9gとなるじゃありませんか。1gの金じゃなかったの??
どこがおかしいんでしょう。
可能性1「1gの金は1平方メートルまで伸ばせる」はガセネタ
可能性2「そのときの厚みは1/10000mm」はガセネタ
可能性3「薄く広げることで隙間もできる??」
のどれかと思われます。
それなら本当は、金をたたいてどれだけ薄くできるのでしょうか。
実際の金箔の厚さについてもいろいろな資料があり、1/10000mmの金箔なんて「金の性質を知らない人の言っていることで完全なる間違いです。」と断言している金箔屋さんのサイトもかつてはありましたし(今はリンク切れ)、よくわかりません。
それこそ厚さ0.1ミクロン、つまり1/10000mmも存在するという情報を詳しく調べたら、蒸着法だっだりするので、「金を叩いて伸ばしてどこまで薄くできるか」という問いの答えとして条件を満たしていません
さて、その金箔ですがじっくり見てみたいので金銀箔工芸さくだ様に注文してみました。食用金箔 箔三昧(大) 0.075g です。
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価格:1,728円 |
さっそく届きました。
紫色の高級感がある袋に入っています。
これが箔三昧です。
箱を開けてみましたが、静電気がすごいのと、風で吹き飛んだら大変、ということですぐに閉じましたとさ。
ボリューム感あふれるんだけど0.075g、つまり0.1gないんだよな、これが。
今金価格が上昇しているので、ざっくり1g5000円と計算すると、これだけの量あっても0.075gだと375円。
なのでたとえば金粉入り日本酒なんかに含まれる金粉を集めて売ろうとか、金メッキ製品からはがしたメッキの金を売ろうとかやっても、労力に見合わないこと請け合いです^^;
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