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1576 品川区研究授業講師2011/10

去年も品川区で研究授業の講師をさせていただいたのですが、また今年も研究授業の講師を引き受けてまいりました。しかも今年は12月もあります。

品川区にはもっとベテランの先生もいらっしゃるだろうに、こんな自分が講師をやっていいのかという根元的な疑問はありますが、そこは、同じ理科教師として自分のケースなども紹介しながら、かつ、「附属」での研究や、教科書や国研の仕事、博物館での実験教室や本や新聞の連載の執筆など、特別な経験も生かして、授業される先生や参加された先生方に何か役に立つものを提供していけばいいのだろうなと。
 ちなみに2024年現在の私は、コーチングのコーチとかファシリテーターならともかく、「講師」という役割を与えられた以上、受講者とともに学ぶ的な、受講者と対等な立場的スタンスというのは人間的には謙虚でいいのかもしれないけど、講師という役割を果たしてないんじゃないかな~と思うのですよ(個人の意見です・異論は認める)。だから自分が講師の場合は、小心者の真の姿を隠し、あえて聞き手よりも一段上の立場として、受講者が気づかなかった視点を指摘したり、新しい視点をもたらしたり、知識を提供したりすることを心掛けています。というのも自分が受講者として研修などに参加する場合は、講師にそういうものを求めているので。逆に、近くの人とアクティビティとかディスカッションとかは、あまり求めていません。だってめんどくさいし だってコミュ障だもん 近くの人が若い女性なら話は別だけど

今回の授業は7年生(品川区では小中一貫なので、一般の中学1年生にあたる)の化学、プラスチックのところ。授業される先生は、今年採用されたフレッシュな先生です。(ちなみに平成生まれ!)

この「プラスチック」は新指導要領(ここでいう新指導要領は平成20年改訂の指導要領です)で加わったところ。平成21年度から中学1年で学習する事になったのですが、何種類のプラスチックを扱うか、プラスチックの性質・用途についてどこまで扱うか、など、悩ましい点がいっぱいです。各教科書会社の補助資料のプラスチックのページを見ても、会社によって違いが見られます。つまり、各社悩んだわけですね。教科書会社が悩んだくらいですから、現場が悩むのは当然な事です。

だからこそ、若手の先生もベテランの先生も同じスタートラインに立っているわけです。いろいろなアイデアを出し合って教材が開発できるでしょう。もしかしたら、新採の先生がとてもおもしろい教材をつくれるかもしれません。

ちなみに、品川区では去年もプラスチックで研究授業があったそうです。

それで思い出したのが、昔の深夜テレビでやっていた「3番テーブルの客」というドラマ。同じ脚本を、毎回違ったスタッフ、キャストがやるのです。こういう企画だから、ということもあるでしょうが、毎回違った演出で、趣の違うドラマが展開されていました。あらすじは大きく変えずに、ですよ。(大きく変えた回もありましたが・・・)

第15話 伊丹十三監督編

脚本→指導要領(教科書)、スタッフ→先生、キャスト→生徒、ドラマ→授業 と置き換えた「授業版・3番テーブルの客」って企画、おもしろいと思うんだけどな…。

「プラスチック」という同じテーマでも、先生(と生徒)によってこれだけ授業のバリエーションがある、というのを見ていくというのはよい刺激になるかも。もっと何人もの先生にプラスチックの授業をしていくと、新しい授業研究+教材研究のカタチになるんじゃないかなと。

 まあプラスチックについては後に、プラスチック共通の性質をしっかりおさえることが大切で、5大プラスチックの区別などプラスチックどうしの細かい差異をどうこうするような枝葉はやりすぎだと気づいたわけですが…
 新しい内容なので、理科が好きな先生は、つい生徒をおいてけぼりにしてマニアックな実験や教材開発に走ってしまいがちなんですよね~そういうわけでプラスチックで反省した私は、現行の指導要領で登場したダニエル電池については、いろいろアイデアはありながらも静観することにしたのですが、やっぱり同じ轍を踏む先生方は少なくなかったようです…

さて、今回の授業は、密度を利用してペットボトルの本体(PET)、フタ(PP)、ラベル(PE)を分類しよう、という実験。PETは水に沈むけれども、PPとPEは水に浮きます。そこで、飽和食塩水とエタノールを用いて、それらとの浮き沈みも合わせて考える。しかも、飽和食塩水-水-エタノールと、液体を3層にして、その中に3種のプラスチックを分けよう、というもの。おお、きれい、おもしろい!この実験は、またの機会に。

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