1366 実験本位課外理科文庫 カニとエビの生活

大学の図書館から、「寄贈されたけどすでに持っていたりするのでほしい人にあげるよ!」という本のリストが回ってきたので、眺めていたら、一冊の本に目が留まりました。

それが 『カニとエビの生活』です。

たしかこのタイトルは…なんかで見たなぁ、と思ってググったら、ありました。
どうも幻の本らしいです。
で、そんな本が誰にもその価値を再発見されずに、しれっと捨てられそうになっているので、あわてて保護しました。

詳しい本の中身は
一寸木肇 「発見! 酒井恒博士による幻の著書」Cancer 22:17-20(2013)
に詳しく述べられているのでそちらに譲ります。
(”Cancer”は「癌」ではなく「カニ」の意味。参考:どうして、癌は英語でCancer(カニ)なの

でも、穏やかに語りかけるような文体で、カニとエビの生活に引き込まれるようなお話は、少年少女だけでなく、私のような大人も、実際にエビやカニを前に観察したいと思わせるのに十分です。私もこういう文章が書けるようになりたい。

アカテガニ。逆から読むとニガテカア。
回文。「アカテガニが苦手かあ」

最後に「若し採集した標本の中で名前のわからないのが出て来たならば、アルコールにつけたまゝ小包にして著者のところへお送りになればしらべて差し上げます。」と宣言して宛先を載せるという、太っ腹なところを見せています。心強いというか、もっと単純に「スゲー」と思った読者は少なくないでしょう。私もその一人です。
大量の標本が押し寄せてきたらそれはそれで大変じゃないかと思うのですが、実際にどれだけ標本が送られたか、これをきっかけに送られた標本から大発見!みたいなのがあったりしたら楽しいなと、ちょっと気になります。
昭和6年刊行で 定価50銭。

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