2001 【公害防止】大気有害物質特論(4)

大気有害物質特論:ガス吸着及び吸着装置(2012-10-23)

2-2.ガス吸着及び吸着装置

今度は「吸収」ではなく「吸着」です。水などの液体に吸収させるのではなく、活性炭などに吸着させるのです。これも吸収ほどではありませんが出題頻度は高いです。

平成24年度 大気有害物質特論 問4
ガス吸着における吸着等温線を表すラングミュアーの式はどれか。
ここで、qは吸着量(kg/kg)、@は平衡なガス分圧(Pa)であり、aとbは定数とする。

これ、覚えてなければどうしようもないよな…学生時代界面化学の研究室だったものでラングミュアーの式、たしか分数だったはずと覚えていたので(2)か(4)か。でも(2)は q = b/ap + b となるので、分圧pが上がると、吸収量qが小さくなるという変なことになってしまうので間違いだと。それで(4)にしてセーフでした。

平成24年度 大気有害物質特論 問5
ガス吸着に用いる活性炭に関する記述として,誤っているものはどれか。
⑴ 石炭、木炭、ヤシ殻などに賦活操作を施して製造する。
⑵ 比表面積が1500m2/gを超えるものもある。
⑶ 化学薬品を染み込ませたものを添着炭という。
⑷ 粒状、粉末、ビーズ、繊維状にした活性炭などが実用化されている。
⑸ アルコールなどの極性物質の吸着に優れている。

活性炭はほかの吸着剤に比べて極性が小さく、その吸着はファンデルワールス力によるため、水、アルコールなどの極性物質よりは、飽和炭化水素など無極性物質の吸着に優れています。したがって正解は(5)

平成23年度 大気有害物質特論 問5
ガス吸着装置に関する記述として,誤っているものはどれか。
⑴ 固定層吸着装置には,粒状の吸着剤を充塡した層にガスを通すものや繊維状活性炭によるフィルター形式のものがある。
⑵ 固定層吸着装置で,ガス濃度が高く連続的な吸着を行う必要があるときは,2基以上の吸着塔を用いる。
⑶ 移動層吸着装置では,吸着剤を充塡状態で下部から上部へ移動させ,ガスを並流で接触させる。
⑷ 吸着剤を回転移動させるハニカム形ローター式吸着装置がある。
⑸ 流動層吸着装置は移動層吸着装置と比べて,吸着剤の摩損が大きい。

固定層・移動相・流動層吸着装置の特徴を聞いた珍しい出題。正解は(3)で、吸着剤を充塡状態で上部から下部へ移動させ,ガスを向流または十字流で接触させます。ざっくりと勉強してれば「並流」というところで違和感はあるよな。

平成22年度 大気有害物質特論 問4
ガス吸着に関する用語と説明の組合せとして,誤っているものはどれか。
 (用 語)   (説 明)
⑴ 吸着剤 多孔性で内部表面積が大きく,著しい吸着性をもつもの
⑵ 吸着等温線 一定温度で吸着剤が気体と接して平衡状態にある場合,吸着量とガス濃度との関係を表すもの
⑶ 化学吸着 吸着剤表面での化学反応を伴う吸着
⑷ 脱着 被吸着物質が吸着剤から脱離して気相に出てくること
⑸ 破過 吸着剤の充塡が不均一な場合に,被吸着物質が吸着されずに出てくること

破過とは、充填層出口ガス中の被吸着物質の濃度が急激に増加し始めること。簡単に言うと、吸着材のお取替えの時期ということです。正解は(5)

平成21年度 大気有害物質特論 問5
吸着剤としてよく使用される活性炭に関する記述として,誤っているものはどれか。
(1) 活性炭の原料として,石炭,木炭,ヤシ殻などがある。
(2) 飽和炭化水素など無極性物質の吸着に優れている。
(3) 化学薬品を染み込ませた添着炭も用いられている。
(4) 固定層吸着装置では,粉末の活性炭を充塡した方式が用いられる。
(5) ハロゲン系化合物に対しては分解触媒として働き,腐食性ガスを生じることがある。

固定層吸着装置では、粒状の吸着剤を充填した層にガスを通して吸着する方式で、最近繊維状活性炭も開発され、一種のフィルター形式の吸着装置も実現しています。正解は(4)

平成19年度 大気有害物質特論 問4
ガス吸着に関する記述として、誤っているものはどれか。
(1) 被吸着物質の分圧が下がると、吸着量は増加する。
(2) 被吸着物質の温度が上昇すると、吸着量は減少する。
(3) 吸着剤の比表面積は大きく、一般的には 100m2/g 以上ある。
(4) 活性炭は、炭素数の大きい炭化水素を吸着しやすい。
(5) 吸着処理の長所は、被処理ガスの濃度変動に対応できることなどである。

平成18年度 大気有害物質特論 問4
ガス吸着に関する記述として、誤っているものはどれか。
(1) 吸着等温線を表すラングミュアーの式がある。
(2) 吸着されるガスの分圧を上げると、吸着量は減少する。
(3) 温度を下げると、吸着量は増加する。
(4) 吸着剤の充塡量を少なくすると、破過時間は短くなる。
(5) ダストやミストを含むガスでは、その除去が必要である。

分圧とは、被吸着物質(気体)だけの圧力。つまり大きい方がたくさんあるわけです。たくさんある方が吸着量は大きくなりますよね。正解は平成19年度が(1)、平成18年度が(2)になります。なお、温度が高いと、気体分子の飛び回る速度が大きくなるため、吸着材に捕まりにくく、逃げやすいため、吸着量は減少します。

その、「分圧」というところを問うてきたのが次の問題。

平成16年度 大気汚染関係有害物質処理技術 問4
ガス吸着に関する記述中、下線部を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。
 吸着材が気体と接触して(1)平衡状態にあるとき、その吸着量は処理ガスの(2)温度(3)全圧により変わる。これらの関係を表すものに、(4)吸着等温線があり(5)ラングミュアーの式、BETの式などで表される。

正解は全圧ではなく分圧なので(3)。ちなみに、どうでもいい話ですが「Langmuir(ラングミュアー)」というアメリカ化学会による学術雑誌があります。(当然、英語です)

平成17年度 大気汚染関係有害物質処理技術 問3
ガス吸収と比較したガス吸着の特徴として,誤っているものはどれか。
⑴被処理ガスの濃度変動に対応できる。
⑵ ほとんど100%の除去が可能である。
⑶ 操作及び装置が簡単である。
⑷ 処理コストが低廉である。
⑸ ダストやミストを含むガス及び高温ガスの場合には、予備処理が必要である。

ガス吸収にくらべ、処理コストはやや高いです。正解は(4)。ガス吸着では活性炭とガスが直接触れ合うので、ダストやミストは目詰まりしそうだし、高温ガスだと活性炭を痛めそうです。

大気有害物質特論:ふっ素、ふっ化水素及び四ふっ化けい素(2012-10-25)

2-3.ふっ素、ふっ化水素及び四ふっ化けい素

出題は少ないですが、だからこそ出てくると「うっ」となります。要注意。

平成23年度 大気有害物質特論 問6
3つのふっ素化合物を沸点の高い順に左から並べたとき,正しいものはどれか。
⑴ ふっ素 > ふっ化水素 > 四ふっ化けい素
⑵ ふっ素 > 四ふっ化けい素 > ふっ化水素
⑶ 四ふっ化けい素 > ふっ素 > ふっ化水素
⑷ ふっ化水素 > ふっ素 > 四ふっ化けい素
⑸ ふっ化水素 > 四ふっ化けい素 > ふっ素

ほら、「うっ」となったでしょ。沸点はふっ素が-188℃、フッ化水素が19.4℃、四ふっ化けい素は昇華点が-95.7℃。昇華点のことを沸点と呼んでいいかという疑義は残しつつも、正解は(5)しかない。

平成21年度 大気有害物質特論 問6
ふっ素などの処理に関する記述として,誤っているものはどれか。
(1) ふっ素の場合,水酸化カリウム水溶液を用いる方法がある。
(2) ふっ素を硫黄と反応させて,六ふっ化硫黄として回収する方法がある。
(3) ふっ化水素は水への溶解度が大きいので,水洗吸収によって排ガスから除去することができる。
(4) ふっ化水素を含む洗浄水の処理法として,水酸化カルシウムによる中和がある。
(5) 四ふっ化けい素を含むガスの場合,密な充塡物を用いた充塡塔がよく使用される。

四ふっ化けい素を含む排ガスの吸収装置では、二酸化ケイ素の析出があるので、フッ素化合物による腐食及び二酸化ケイ素による閉塞を考慮しなければなりません。そのため、充填物を密に入れる充填塔は不向きで、スプレー塔の出番となります。正解は(5)

大気有害物質特論:塩素および塩化水素(2012-10-27)

2-4.塩素および塩化水素

さあ、さっそく問題に行ってみましょう(特に前ふりするネタがない)

平成22年度 大気有害物質特論 問5
塩素の吸収及び回収に関する記述として,誤っているものはどれか。
⑴ 水系の吸収に用いる装置材料には,耐酸性に加えて耐熱性が要求される。
⑵ シリカゲルを吸着剤として排ガス中の塩素を吸着させ,次いで加熱脱着して塩素を回収する方法がある。
⑶ 排ガスの量が少なく,かつ塩素濃度が比ퟛ的高い場合は,塩化鉄( )や塩化硫黄などの製造に利用される。
⑷ 排ガス量が多く塩素濃度が低い場合は,石灰乳又は水酸化ナトリウム溶液を吸収剤として用いる。
⑸ 硫酸鉄(Ⅱ)の水溶液を用いて,塩素を吸収させる方法がある。

塩素―水系では、塩化水素と次亜塩素酸を発生するので、酸性と酸化性対策が必要。別にそんなに熱くはならない。ということで正解は(1)しかない。

平成17年度 大気汚染関係有害物質処理技術 問5
塩化水素の性状と処理に関する記述中、下線部を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。
 塩化水素は水との反応速度が(1)大きく、常温における水への溶解度は、アンモニアのそれより(2)大きい。塩化水素の水による吸収は(3)液側境膜抵抗支配である。ガス中の塩化水素濃度が高いときは、吸収装置としては、管外から冷却できる(4)ぬれ壁塔がよく用いられ、ガス中濃度が低いときは、一般に(5)充てん塔が用いられる。

最初、さすがにアンモニアよりは水に溶けないだろうと思っていたら…溶けました。正解は、(3)。液側ではなくガス側境膜抵抗支配でした。

ガス側境膜抵抗支配が正解選択肢ではなく、さりげなくあるのがこれです。

平成16年度 大気汚染関係有害物質処理技術 問5
塩化水素の処理に関する記述として,誤っているものはどれか。
⑴ 塩化水素は常温、常圧でガスであり、水に対する溶解度は大きい。
⑵ 塩化水素の溶解熱は小さい。
⑶ 塩化水素の水との反応速度は大きい。
⑷ 塩化水素の水による吸収は、ガス側の境膜抵抗支配である。
⑸ 塩化水素が水に溶けた塩酸は、腐食性がある

塩化水素の溶解熱は大きいので、正解は(2)ですが、その他の選択肢の内容が翌年の正解選択肢になっているため、過去問チェックは侮れませんね。

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