2085 高校入試で「ハザードマップ」

※旧ブログで 2013-07-05 に更新された記事です。当時の入試傾向の歴史的話題として残しておきます。

中学校理科の内容の中でも、3年の最後にやるので、高校入試への出題頻度の少ない第7単元(「第7単元」の説明はこちら)。3.11の影響で防災が注目されているのか、2年連続で高校入試、それも決して社会科ではなく理科でこんな出題がなされている。

火山の噴火や洪水などの災害に対する正しい理解を深め、被害を最小限にすることを目的に、地域の地理的な特徴をもとにして、各地で作成が進められている図を何というか、書きなさい。
(2012山形県 3-問4)

火山活動は、美しい景観を作り、温泉や発電など様々な恩恵を与える一方で、生活に大きな被害を及ぼすこともある。自治体などで、予測される自然災害による被害の程度や範囲、避難経路、避難場所などの情報を地図に表わしたものを何というか書け。
(2013福井県 3(4))

いずれも正解は「ハザードマップ」。

では、ハザードマップは教科書に載っているのだろうか。
各社の3年生の教科書(2025注 平成24年本です)を調べてみた。

教育出版 p.207 5社中最も詳しい。ハザードマップを使った調査(生徒の活動)も。
東京書籍 p.253 「調べよう」の他にコラムでも取り上げられている。もちろん用語説明も。
学校図書 p.231 レポート例(生徒の書いたレポート)の中で紹介。「地元の防災の取り組み」というタイトルのレポートで、洪水ハザードマップについて詳しく述べられている。
啓林館 p.209 津波ハザードマップの例が掲載されている。
大日本図書 p.255 生徒のレポートの中で、さも当然のように「インターネットのハザードマップデータベースから、富士山火山防災マップが見つかったので…」と出てくる。ハザードマップの説明はどこにもない。なお、「富士山火山防災マップ」の写真がp.254に出ているものの、図のキャプションなどはなし。

ちなみに緊急地震速報に関する問題もポツポツ出題されている。

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