1848 中学理科で解ける 共通テスト2025 地理総合編

 さあ、今年もこのシーズンが始まりました「中学理科で解ける 共通テスト」。どうも中学校理科の先生の間で何気に人気企画になっているようで、ここで紹介された問題を実際に中学生に解かせているようです。さあ今年は中学理科で解ける問題はどれだけあるのでしょうか…

地理総合

 といっても今日は社会(高校は地歴と公民と分けてるのか)、国語、外国語ということで理科は明日までお預けです。だから明日から始めようかと思ったのですが、ふと、昨年は参考出品として、地理Aの問題を紹介しましたので、今年もどうかな…と思ったらよさげなのが地理総合に1問ありました。

第3問

問1 プレート境界に位置する日本列島においては、地震が頻発する。 次の図1に関することがらについて述べた文として最も適当なものを、後の①~④のうちから一つ選ぺ。

①東北地方の活火山は.南北方向に分布する傾向があり.太平洋プレートの北アメリカブレートへの沈み込みと関連している。
②中国・四国地方では、他の地方と異なり活火山が少なく直下型地震も発生しない。
③九州地方の活火山は列状に連なっておりユーラシアブレートとフイリピン海プレートとが離れつつある現象と関係している。
④東シナ海は太平洋に比ぺて面積が小さく水深も浅いため、東シナ海に震央のある地震では、南西諸島への津波が生じることはない。

それぞれの選択肢を検討していきましょう。
①東北地方の活火山は.南北方向に分布する傾向は図から読み取れます。問題はそのあと、「太平洋プレートの北アメリカブレートへの沈み込み」というのはプレート境界の地震の説明で、太平洋プレート(海洋プレート)が大陸プレート(北アメリカプレート)に沈み込む図でもおなじみです。ということでこれが正解。
②たしかに中国・四国地方では、他の地方と異なり活火山が少ないです。しかし、ちょうどこの共通テストの前日は阪神・淡路大震災、つまり兵庫県南部地震から30周年にあたる日です。中国地方のすぐ隣の兵庫県南部地震というあんな大規模な直下型地震が起きてているのに直下型地震も発生しないなんてどの口がゆうてるんだ!
 ちなみに災害・防災系の正誤の問題における選択肢では、「〇〇は発生しない」「〇〇が生じることはない」などの災害発生の可能性を完全に否定するような選択肢は誤りになる、というのは受験テクニックとして成立しそうです。つまり、うっかり「〇〇は発生しない」が正解だとすると、絶対に発生しないと言えるのか、本当にその可能性は否定できないのかと専門家から詰められかねません。そりゃ「長野県では津波は発生しない」レベルに当然なことだと専門家も納得していただけるかもしれませんが、今度は受験生が誰も引っかかってくれません…。もし、「〇〇は発生しない」が正解だった問題をご存じの方がいらっしゃったら、ぜひコメントで教えていただけると嬉しいです。

③九州地方の活火山は列状に連なっているのは図1と同じですが、大陸プレートのユーラシアブレートと海洋プレートのフイリピン海プレートは選択肢①の太平洋プレートと北アメリカブレートのように海洋プレートが大陸プレート北アメリカプレートにぶつかって沈み込んでいるのです。だからこのあたりでも地震が起こるのですね。
④東シナ海は図1でいうと、九州の火山列から南西諸島を結ぶ円弧からすぐ西側の海域です。つまりそこで地震が起きれば、すぐ近くにある南西諸島もモロに影響を受ける可能性があります。そもそも、先ほど緑字で触れた災害発生の可能性を完全に否定するような選択肢ですね。
正解:①

試験問題研究

Posted by rikaniga