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0279 フローラとファウナ 動植物誌の東西交流

 日本最大級の本の博物館、東洋文庫ミュージアムで企画展「フローラとファウナ 動植物誌の東西交流」をやっています。

 シーボルトの来日から今年(2023年)で200年ということで、シーボルトの著作や東洋文庫の図鑑・図譜のコレクションを展示しています。ちなみにフローラ(Flora)とは花と豊穣と春の女神で、ファウナ(Fauna)は、ローマ神話の純潔と豊饒の女神だそうです。

まずは有料ゾーンに入ったすぐ横のグリーンオニックス。パキスタンのハイデラバード近郊で採掘。
 

2階に上がって、企画展コーナーが。

ということで展示を見てみましょう。

毛詩名物図説
徐鼎1771年刊
 清代の学者・書画家の徐鼎が、中国最古の詩集で、儒教経典の1つです『毛詩』(『詩経』)に登場する.鳥・獣・虫・魚・ 草・木を絵入リで解説したもの。諸書の記述を列記したうえで、筆者自身による考証も多く記されておリ、本書の編纂にニ十年を要した。

本草綱目
李時珍撰 万暦18年(1590)刊 金陵刊 初版
 「本草」とは植物以外にも動物や鉱物を含み、形態と性質から整理しているため、博物学な観点からも評価されています。ちなみに李時珍は編纂に27年かけ、フィールドで採集もしてたとか。
 初版の完本は7点しかなく、そのうちの一つ。、国立公文書館でもお見かけしました。

三才図会 王圻 1609(万暦37)年刊
 三才とは天、地・人、すなわち万物という意味になリます、天文、地理、 人物や、鳥獣、草木などの14部門に分けで、図入リで説明を付したもの。ただし、例えば右ページはカブトガニなのだそうですが、全然違いますね。そのため当時の中国では評価は低かったよう。

和漢三才図会 寺島良安 1715(正徳5)年刊
 寺島良安は大阪の医者。「三才図会」に、日本の動植物を加えて、日本で観察できるものは実際に観察して解説したもの。動物や植物は薬としての効能や服用法も書いているところがさすがお医者さん。編纂に30年かかった。

紅葉図譜 作者不明 18-19世紀
100種の楓(もみじ)に名称と和歌を載せた図鑑。

Sakura Japanese cherry
三好学 1941 鉄道省国際観光局刊
 日本の観光地をアピールするために、桜の歴史、種類、名所を英語で紹介。三好学はサクラと菖蒲研究の第一人者で、天然記念物保護事業にも従事した。

諸蟹譜 作者未詳 19世紀

草花写生図 増山正賢 1811(文化8)年
 増山正賢(号・雪斎)は伊勢長島藩の大名。木村兼蔵に絵画を学び、とくに徹密な花鳥画が得意。植物の名称とともに写生した目付も書かれています。

蒹葭堂雑録 木村蒹葭堂 著 暁鐘成編 1859年刊

日本誌 ケンベル 1728年 ロンドン刊

NIPPON シーボルト 1832-52頃 ライデン刊
 シーボルトの日本研究の集大成!

草木図説 飯沼長順(慾斎)  安政3年(1857)刊
リンネの24 綱分類に従って植物が 配列された植物図鑑。国立公文書館にもある

新撰日本植物図説 牧野富太郎 1899-1903年
本書は、これまで培われてきた日本植物学の学術情報を世界に発表するべく刊行された植物図鑑です。牧野富太郎は私生活が困窮しており本の売り上げによって窮地を脱したいと考えていたが、すぐに休刊となってしまいましたとさ。

バラ属 エレン・ウィルモット 1914年 ロンドン刊
 イギリスの女性資産家で薔薇の愛好家のウィルモットは、1901年に実施荒れた植物学の調査遠征を支援し、作られたもの。「薔薇族」ではないので注意。

アジアの鳥類 J.グールド 1850-83年 ロンドン刊

ジャワの植物誌 ブルーメ 1828-58年 ブリュッセル、アムステルダム刊
 オランダ東インド会社がインドネシアのジャワ島に開設した植物園の園長であるドイツの植物学者ブルーメが、滞在時に得た知見を基にまとめた本。ちなみにこの花は、かの有名なラフレシアです。

図録が500円で売っていたので買ってきました! 5月14日まで。

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