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0280 【力の働き7】 力の大きさとばねの伸び

 前回、力の大きさを測るのにさりげなくばねばかりを使いました。
 力を加えるとばねが伸びますが、ばねに働く力とばねの伸びには関係があるのでしょうか。

課題 ばねにはたらく力とばねの伸びにはどのような関係があるのだろうか。

 このような時は一方の値を変えてみて、その結果もう一方の値がどうなったかを調べることになります。

 この、「ばねにはたらく力」にあたる、意図的に変えた量と、「ばねの伸び」にあたる、その結果変わった量の区別は結構重要な点で、例えばグラフで表わす時には前者は横軸、後者は縦軸にします。
この変えてみた量を「独立変数」、その結果変わった量を「従属変数」というのですが、いかんせん中学生には難しい用語です。なので、中学校レベルではそれぞれ「変化させた量」,「変化する量」と呼ぶこともあるのですが、ぶっちゃけ紛らわしく、区別がつきにくいですよね。私も、「こうしたら」「こうなった」と授業で呼んでいた時もあったのですが…。ちなみに、数学ではですね。

ということで、ばねにはたらく力を変えて、そのときに伸びがどうなるかを調べてみましょう.。

作戦としては、
ばねにはたらく力は、ばねに吊り下げるおもりを1個、2個、3個…とすれば、おもりの質量から加えた力がわかります。
ばねの伸びは、定規で測ればいいですね。ばねの伸びであり、ばね全体の長さではないことに注意しましょう。
おもりをつるしていないときのばねの下端に定規の0の目盛りを合わせればいいですね。

んが、今日は秋田大の実践にインスパイアされたので、ちょっと違うやり方でやってみましょう。

図書館で使わなくなった新聞ラックと

単語カードとかに使うリングで

さらにバネを使い

ラックの棒とばねをリングで結んでラックの棒とリングはセロハンテープで等間隔に止める。

するとこんな感じでばねが並ぶ。

そこにおもりを端から0個、1個、2個、3個…とつるしていく。

水色が伸びる前の長さ、黄色が伸びた長さを線で結んだものです。

ちなみに新聞ラックの、別の新聞をはさむ棒に、これと同じようにばね定数の違うばねをセットして同じように1個、2個、3個とおもりをつるしていくとばねの種類による違いがわかります。(違うばね定数のばねが見つからなかったので今日は省略します)

で、このおもりの数を加えた力に換算して、これだけの力を加えればこれだ伸びる、とグラフに表します。

すると、こんな感じの正比例のグラフになります。

ということで結論にいきますが、ちょっと数学な話を。
単に「比例」とか「比例する」ではなく、何が何に比例するかを明確にしましょう。
課題が「ばねにはたらく力とばねの伸びにはどのような関係があるのだろうか。」で、ばねにはたらく力とばねの伸びの関係を調べてきました。その結果、比例とわかったわけです。
で、数学ではよく「yはxに比例する」といいますが、「xはyに比例する」とはあまりききませんね。この「yがxに比例する」のxはばねにはたらく力、yがばねの伸びに当たります。したがって、結論はこうなりますね。

結論  ばねの伸びばねにはたらく力の大きさに比例する。

 この法則はイギリスのロバート・フックが発見したので、「フックの法則」と呼ばれています。

 なお、ばねによっては、最初に1個おもりをつるしたときの伸びが、2個目以降より小さいことがあります。これはばねの初張力によるものです。力を加える前のばねはピシッと 密着状態になっていますが、この時点でもうばねは「もっと縮もう」とする力がかかっています。ただし密着してないのでこれ以上ばねは縮みようがなく、力がかかったまま残っています。ばねを引く時は、まずこの力以上に大きい力を加えないと、そもそもばねは伸びていかないのです。
 「初張力」で検索するといろいろなばねメーカーによる解説が見られます。

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