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0808 【電流11】回路と電流・電圧(11) 家庭内の配線はなぜ並列?

家庭用の配線は、ふつう並列でつながっています。
これ並列になる理由はなにがあるんでしょうか。直列じゃだめなんでしょうか。

ダメなんです。これには大きく2つの理由があります。

1.一つのスイッチを切ると…

たとえば、家庭で冷蔵庫と掃除機と照明を使っているとします。
これらを電源-冷蔵庫-テレビ-照明-電源 というふうに直列回路を作ったとします。
全部使っているうちはいいのですが、ここでテレビのスイッチを切ったらどうなるでしょうか。
回路はそこで切れてしまいますから、すべての電気器具が消えてしまいます。
並列回路ならそんな心配はありません。
冷蔵庫、掃除機、照明それぞれのスイッチでON/OFFができます。
外出中に冷蔵庫はつけて、テレビも照明も切っておくこともできます。
映画っぽく見せるために照明を切ってテレビをつけることもできます。
だから並列なんですね。

2.それぞれの電気器具にかかる電圧は…

普通の家庭用電源は100Vです。これにあわせて、家庭用の電気器具は100Vで正常にはたらくように作られています。
ところが、また、電源-冷蔵庫-テレビ-照明-電源 というふうに直列回路を作ったとすると、どうなるでしょうか。直列回路の電圧の話を思い出してください。それをこのケースに当てはめると
電源の電圧(100V)=冷蔵庫にかかる電圧+テレビにかかる電圧+照明にかかる電圧
3つ合わせて100Vってことは、それぞれにかかる電圧は100Vより小さくなってしまいます。
これでは冷蔵庫もテレビも照明も使い物になりません。
では、並列につなげばどうか。並列回路の電圧の話から考えると
各電気器具に加わる電圧の大きさと、電源に加わる電圧の大きさは等しい。
ので、冷蔵庫もテレビも照明も100Vが配給されるのです。よかったね。

でも、注意。並列の電流は1個1個の回路を流れる電流の和になるから、
電源に流れる電流=冷蔵庫に流れる電流+テレビに流れる電流+照明に流れる電流
となり、意外に大きな電流が流れる危険性があります。

タコ足配線がいけない、といわれているのもこのためです。

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