0814 【電流15】 電流・電圧と抵抗4 導体と不導体、合成抵抗

導体…金属など、抵抗が小さく、電流を通しやすいもの
不導体(絶縁体)…ガラスやゴムなど、抵抗が大きく、電流をほとんど通さないもの。
※絶体と書く誤字に注意。

※シリコンなど導体よりは抵抗が大きく、不導体よりは抵抗が小さいものを半導体という。

合成抵抗…2つの抵抗 R R2 を1つの抵抗 R に置き換えると何Ωの抵抗になる?

(1)抵抗が2個直列につながれた場合
回路を流れる電流の立場に立って考えてみよう。
抵抗が1個のときに比べて、2個直列に抵抗がある場合、やっと1つの抵抗をクリアしたと思ったら、また次の抵抗を通らないといけない。つまり、1個のときよりもより通りにくい(抵抗が大きい)ことになる。
ということで、合成抵抗は2個の抵抗の大きさの和になる。
 R = R + R2
(例)20Ωの抵抗と30Ωの抵抗を直列につなぐと、合成抵抗は 20+30=50Ω

(2)抵抗が2個並列につながれた場合
回路を流れる電流の立場に立って考えてみよう。
ここで、並列回路は共有部分を持つ2つの回路ということを思い出しておこう。

すると、2個直列に並列がある場合、抵抗が1個のときに比べて、もう一つ別の道が開通したわけなので、今度は電流はむしろ流れやすくなる。抵抗は小さくなる。

並列回路は、電流が足し算です。つまりこういうことですね。
I1I2

オームの法則よりIVR。これをオームの法則より IV R。これを I I I 2それぞれに適用させます。ただし、電圧は全部同じなので、Vとします。すると、
VR V RV R2
全部分子がVなので、両辺を Vで割っちゃいましょう。すると、
1 / R  = 1 R + 1 R2
(例)20Ωの抵抗と30Ωの抵抗を直列につなぐと、合成抵抗は 1/20+1/30=1/12 12Ω (1/12Ωとしないように!)

半導体はなぜすごいのか(2010-02-02)

小学校の理科の実験では豆電球と乾電池を使って「電気を通すものと通さないもの」と分けましたね。金属は電気をよく通しますが、ゴムやガラスは通しません。

金属のように電気をよく通すものが導体、ゴムやガラスのように通さないものが絶縁体です。抵抗率(Ωm)を調べると、導体である金属は10-7~10-8のオーダーですが、かたや絶縁体は109~1016くらいまであり、導体と絶縁体ではその抵抗率が文字通りケタ違いに両極端です。

では、導体と絶縁体の中間程度の抵抗率をもつ物質はないのか、というと、シリコンやゲルマニウムがそれで、半導体と呼ばれています。そしてこれらが電子機器などに使われているわけです。

・・・と中学の教科書あたりだと半導体についてこんな感じでふれていることが多いのですが、「中途半端な抵抗率」という性質と「電子機器に使われる」という用途が結びつきません。

半導体のすごいところは、その中途半端な抵抗率ではなく、半導体がたまたまもっていた不純物や熱によって抵抗率がダイナミックに変化する(その結果電流が変化する)という性質です。しかし、その点については中学理科レベルではあまりふれていません。テストでもせいぜい導体と絶縁体の中間程度という立ち位置で用語を聞く程度でしょうし。

でもほんとうに半導体が電子部品で使われていることを強調したかったら「半導体」ではなく変導体とでもいった方が特徴がわかりやすくていいんじゃないでしょうか。。。ダメかなぁ?