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0866 アラゴの円盤

「アラゴの円盤」の実験をしてみました。

使うのは、アルミ製のやかんのふた!

これを逆さにして、水の入ったバットにそっと載せます。載せるといっても、バットの水は浅いので、ふたの先はバットの底についています。このとき、ふたは水から浮力を受けているため、見かけ上のふたの重さは小さくなるので回転がしやすくしています、一方、水が浅いこともあり、ふたの先だけが底についていて、完全に浮いているわけではないので、ふたがフラフラ変な方向に動いたりもしません。

ふたの回転がわかりやすいように、1ヶ所、赤いシールを貼りました。

このふたの上で強い磁石を回転させると、磁石につかないはずのアルミニウムのふたが磁石と同じ方向に回転します。

材質がアルミニウムですから鉄と違って磁石に吸い付くはずはありません。ではどうして動いたのでしょうか。

磁石が回転する、すなわち磁界が変化することで電磁誘導が起こります。
このときの誘導電流ですが、たとえば下の図のようにN極を円盤の上で黒い矢印の向きに動かした場合、N極が近づいてくる側は、ツンデ…ちがった、レンツの法則により円盤がN極になるように、N極が遠ざかる側は円盤がS極になるように、電流を発生させます。コイルならば、コイルの導線に電流が流れますが、ここではアルミニウムの板なので、板上を小さな渦のような形で電流が流れます(赤い矢印)。これを渦電流といいます。

これを真上から見たのが次の図です。

2つの渦電流はその回転方向が逆向きですが、真ん中の磁石の近くでは、どちらの渦電流も外側から円の中心に向かっていく向きになっています。つまり電流はこの方向で強め合います(真ん中の赤い矢印)。
一方、磁界はN→Sというお約束ですから図の手前から向こう側です。
この電流と磁界の向きをフレミングの左手の法則にあてはめると、親指、すなわち「力」は上向き、すなわち磁石を動かした向きと一致します。この向きにアルミニウムのふたが回転するわけです。

これがアラゴの円盤の原理です。

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