0813 【電流14】電流・電圧と抵抗3 電圧と電流の関係(オームの法則編)
さて、電流は電圧に比例するということがわかりました。
yはxに比例するという式は、比例定数aを用いて
y=ax となります。
ここで、yは電流I、xは電圧Vですから、
I =a V
ここで比例定数aはコンダクタンスとよばれ、量記号としてGを使い、単位はジーメンス(記号S)です。これで話を構築していけば「電流の流れやすさをコンダクタンスといいます」とか言って、感覚的にわかりやすいと思うのですが。オームの法則にあたる式もI=GVとなって、問題ないみたいですし…。
ここで、1/a を R とおいて
I = V / R
分数だと2行とるので、1行っで収まるように V = の形にしようとすると、
V = R I
これがかの有名なオームの法則です。
そしてこの R こそが、電流の流れにくさをあらわす電気抵抗(または単に「抵抗」)です。電気抵抗の単位はΩ(オーム)です。
抵抗を使ってオームの法則を説明すると、
電圧1Vで電流1Aのとき、抵抗1Ωになります。
もう少しオームの法則の式を鑑賞してみましょう。
それにはV = RI ではなく
I
=V/R の式で鑑賞します。
V は電圧、つまり、電流を流そうとするはたらきで、これが大きいと電流は大きくなります。
R は抵抗、つまり、電流が流れにくくなる環境(はたらき)でで、これが大きいと電流は小さくなります。
この両者の力関係、バランスで実際に流れる電流 I
が決まるわけです。
そういう目でもう一度 I
=V/R の式を鑑賞してみましょう。
さて、この関係を使えば、実験で使った電熱線の抵抗も何Ωかわかりますね。
なお、豆電球は、電圧と電流の関係が比例にならない(抵抗が変わってしまう)から使わなかったのです。
オームの法則 と 悪の組織(2015-12-30)
ここで、Vは電圧、すなわち、電流を流そうとするはたらきである。
また、Rは抵抗、電流の流れにくさ、と言われるが、電流を流すのをじゃまするはたらきということもできる。(正確には「はたらき」という表現が適切なのかは微妙だが、そこは本質ではないので置いといて)
つまり電流を流そうとするはたらきと流すのをじゃまするはたらきの力関係というかバランスで、実際にどれだけの電流が流れるかが決まる、と考えるとわかりやすいだろう。
例えるなら
V は 正義の味方の活躍
R は 悪の組織の活躍
I は 地球の平和 かと。
すなわち、
正義の味方が1V、悪の組織が1Ω活躍してると、1Aの地球の平和がおとずれる。
この状態と比べて、
正義の味方が2倍活躍して2Vとなるのに、悪の組織は1Ωのままだと、地球の平和は2倍になる。つまり2A。
ところが、正義の味方が1Vのままで、悪の組織が2倍活躍して2Ωになると、地球の平和は半分の0.5Aになってしまう。
それならばと正義の味方も2倍頑張り2V、悪の組織も2倍頑張り2Ωでは、地球の平和は結局1Aのままということになる。
ところで下の表を見てくれ。こいつをどう思う?
「すごく…おもしろいです…」
おもしろいのはいいからさ、このままじゃおさまりがつかないんだよな。
先にあげた「地球の平和」というのもなんか抽象的な感じだが、正義の味方自身の具体的な目標をもっていない。強いて言えば悪の組織の夢を阻止することが生き甲斐、すなわち目的といえる。そうするとむしろ、正義の味方は抵抗 R をなぞらえたものにするとよいのではないかと。
一方、悪の組織は世界征服のような大きな夢、野望を抱いており、目標達成のための研究開発を怠らない。そして日々努力を重ね、夢に向かって手を尽くしている。なので、悪の組織の努力(はたらき)こそが、電圧 V にふさわしいといえないだろうか。
そして電流 I は、悪の組織が目標へどれだけ進んだかの成果となぞらえることができる。
まとめると
V は 悪の組織の努力
R は 正義の味方の妨害
I は 悪の組織の進捗状況
うん、こっちの方がしっくりくる。
こういうネタに対し、たまに「悪の組織を擁護するのか!」と真剣に食ってかかる人もいるが、こういう視点で物事をとらえるのが面白いんだよな。「ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました」(2013年度 新聞広告クリエーティブコンテスト最優秀賞)みたいな。
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