たとえば、砂糖を水に溶かすと、砂糖水になります。砂糖は砂糖水の中を均一にちらばっています。それが水溶液ってヤツじゃないですか。このとき、砂糖のかたまりは、水に溶けることでどんどん分かれて小さくなっていき、最後には砂糖の分子1個ずつになります。
では,食塩はどうでしょう。やはり水に溶けることでどんどん分かれて小さくなっていくのですが、最後にはどうなるでしょうか。食塩の分子1個ずつになる?いえ、食塩(塩化ナトリウム)は分子になりませんでしたよね。
食塩は分子をつくらず、ナトリウム原子と塩素原子が、正確にはそれぞれ電気を帯びているのでとナトリウムイオンと塩化物イオンが、縦横高さ方向にひたすら交互に並んでいます。だから原子の数はNa+:Cl-=1:1なのですが、あるナトリウムイオンに注目すると、その相手となる塩化物イオンは上下左右前後6個の候補があり、1個にしぼれませんでした。
そんな食塩(塩化ナトリウム)のかたまりが水に溶けることでどんどん分かれて小さくなっていくとしたら、どうなるでしょうか。
砂糖の分子1個ずつ散らばるように、ナトリウムイオン、塩化物イオンがそれぞれ1個ずつ水中に散らばるのです。
このように、電解質が水に溶けて陽イオンと陰イオンに分かれることを電離と言います。
電離は、イオン式化学式を使って表すことができます。
H29改訂の学習指導要領では「イオン式」という言葉が使われなくなっています。なのでここでは「化学式」としています。
塩化ナトリウム NaCl → Na+ + Cl-
塩化水素 HCl → H+ + Cl-
塩化銅 CuCl2 → Cu2+ + 2Cl-
てな具合に。
砂糖のような非電解質にはできない芸当です。
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