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0913【水溶液とイオン04】原子の成り立ちとイオン(4) 塩化銅の電気分解

課題:塩化銅水溶液に電流を流すと、どのような変化が起こるのだろうか。

まずは塩化銅水溶液。こいつです。濃度は10%でつくってみました。ブルーハワイのような見事な青色で、生徒が興味を持ちやすいです。ところがどっこい、これがまた結構な有害であるので、最初に注意しておきましょう。併せて、廃液として回収するので、流しに流してはいけないことも、片づけのときはもちろん、最初にも言っておきたいところです。

電極はこの実験については炭素棒の一択。

そして電極をはめるのに電極ホルダーという、フォームポリスチレン製の板に、電極を差し込む切れ込みを入れたものがあります。

こんなふうに、はめこんで使います。

そして、電源装置にこのようにつないで

3~6Vの電圧をかけて、様子を観察します。

その様子は、動画で見てみましょう。
通常版

タイムラプス版

電極をよく見ると陰極(左)はうっすら茶色っぽくなっているのに対し、陽極(右)はさかんに泡が出ています。
時間が経つにつれ水溶液からプールのにおいがしてきました。

電圧をかけるのをやめて、電極を取り出してみます。
陰極には赤茶色の物質が付着していますね。

ビーカーの底にも陰極から落ちた物質が残っています。

陰極の炭素棒に着いたものをろ紙の上に集めます。

それをこすると、金属光沢が現れました。金属光沢でこの色…といえば銅ですね。

一方、陽極では泡が発生していましたが、やがて水溶液はプールのような臭いがします。
赤サインペンのインクを水に薄めたものを
塩素で漂白する実験のインキはぺんてるのサインペンの赤が至高。異論反論オブジェクションは認めない。ちなみに食紅とか導管染色液の色は塩素では消えないので要注意。

陽極付近の水溶液を赤インクに滴下すると…

赤インクの色が消えました。
ろ紙に赤インクでかいたものに陽極付近の液をたらしても、きれいに消えます。漂白作用です。

プールのにおいや漂白作用があることから、塩素が発生したことがわかります。

以上より、結論はこうなります。

結論:塩化銅水溶液に電流を流すと、塩化銅が塩素と銅に分解される。

CuCl2 → Cu + Cl2

ちなみに、ずーっと電気分解を進めていくと、水溶液に溶けている塩化銅(正確には水溶液中に電離している銅(Ⅱ)イオン)が減っていくので水溶液の青色が薄くなっていきます。

これ最強。 しかしこれを頼むと水溶液から塩素がそれだけ発生するという危険も伴う、諸刃の剣。 素人にはお薦め出来ない。(吉野家コピペも知らない世代が増えたみたいですね)

銅しても、いえ、どうしても電気分解を進めていって薄くなった銅(Ⅱ)イオンを見たい(見せたい)ときは、演歌道ではなくて硫酸銅を電気分解するのがおすすめです。中学生だとどうして陽極に酸素が発生するのかの説明が難しいですが。

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