0936【水溶液とイオン12】酸・アルカリ(3) pH
2年生の炭酸水素ナトリウムの加熱実験、覚えてますか。
加熱後と加熱前の粉末をそれぞれ水に溶かしてフェノールフタレインを加えると、どちらも赤くなるのですが、その濃さが違いましたね。
フェノールフタレインはアルカリ性で赤くなる性質をもちますが、同じアルカリ性でも加熱後の炭酸水素ナトリウムは比較的強いアルカリ性なのに対し、加熱前の炭酸水素ナトリウムは弱いアルカリ性だったため、色が違ったのです。
それなら、強いアルカリ性、弱いアルカリ性の区別、というか強さを表す尺度があると便利そうですね。もちろん酸性についても同様です。では、酸性、アルカリ性の強さは、どうやって表すのでしょうか。
そこでpH (ピーエイチ)ですよ。
中性のときのpHを7で、酸性ならpHの値は7より小さく、アルカリ性ならば7より大きくなります。
7から離れるほど、つまり酸性ならpHの値が小さいほど、アルカリ性ならpHの値が大きいほど、酸性、アルカリ性は強いといえます。
たとえば、先ほどの炭酸水素ナトリウムの水溶液はpH8.2 これだとかなり弱いアルカリ性です。それに対して加熱後の炭酸ナトリウムの水溶液だとpH11.2です。フェノールフタレインはpH 8.2 から 9.8にかけて赤くなっていくので。ちょうど炭酸水素ナトリウムは色が変わり始めているところなのです。(pHの値は資料により多少の幅あり)
具体的なpHの値を調べるには、PHメーターや万能pH試験紙を使います。
これらを使って、いろいろな水溶液のpHをはかってみましょう。
そうそう、一応注意しておくとpは小文字、Hは大文字です。
それから、たまにpHの最小値が0で最大値が14と勘違いしている人がいますが、それは間違いです。たとえば、12 mol/Lの濃塩酸はpHがー1を超えます(さらに小さくなります)。
ここまで酸性が強いと、BTBが赤くなったり、フェノールフタレインがオレンジ色になるという中高で学んだことはいったい何だったんだと思ってしまう現象が起こります。
アルカリ性側もpH14を超える水溶液は存在し、BTBが紫になったり、フェノールフタレインが再び無色になります。
pH関係はいろいろネタにしたいものがあるのですが、始めるとキリがないのでこの辺で。
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