0930 強すぎるアルカリにフェノールフタレインをたらしても赤くならない話

強アルカリにフェノールフタレインをたらしても赤くならない話(2013-08-18)

フェノールフタレインはアルカリ性で赤くなるというのは中学理科の基礎・基本。
でも、意外にもpH14の強アルカリでは無色になるらしいのです。
これはフェノールフタレインが赤くなるpH(変色域)が 8.3から13.4までの間だから。

ということで実際にやってみました。
水酸化ナトリウム水溶液をpH14に調整してフェノールフタレインをたらしてみます。

一度赤くなって消えたのは、最初はpHが8.3より小さいので無色だったフェノールフタレインが、強いアルカリにより赤くなる領域を通過して、pH13.4以上の無色ゾーンに到達したからと思われます。

#ということで、youtubeで動画始めました

強アルカリで無色になったフェノールフタレインは戻らない?(2015-02-15)

はじめてyoutubeにアップした記念すべき動画「pH14のNaOHにフェノールフタレインをたらすと… 」をブログで紹介(上の記事)したところ、コメント欄に、16歳の高校1年生の方からご質問が届きました。

質問なのですが、pH14のNaOHにフェノールフタレインを注いだ後、その状態から塩酸などの酸を加えてpHを下げる操作をするとまた赤色に呈色するのでしょうか?
高校にいらっしゃる化学に詳しい先生から聞いた話ですと、「pH13.6の変色域を超過するとフェノールフタレインは構造が不可逆的に変形してしまい、pHをその状態から下げても赤色に呈色しない。」と聞きました。

そうなの?! これは一度確認してみる必要がありそうですね。
ということで予備調査。
wikipediaの「フェノールフタレイン」には、各pHにおけるフェノールフタレインの構造式が出ています。pH>12.0で無色になるときの構造式は、変なところにOHがついて、いかにも元に戻りそうにありません。
関係ないけど、pH<0 でオレンジなんですね。これもついでに確認してみたいなと。

では、実験してみましょう。
ということで、強アルカリの水酸化ナトリウムのむちゃむちゃ濃い水溶液にフェノールフタレインをたらします。

壁にフェノールフタレインがついて赤くなったので、それをとろうと試験管をほとんど真横に…(よい子はマネしてはいけません)

ふったら無色になりました。計画通り(AA略

そこに濃塩酸を加えてみると…あれ?

赤くなりましたよ。色が変わらないんじゃないの?

ふったらしばらくして無色になったけど

また塩酸をくわえたら赤く戻りました。

どうやらフェノールフタレインの濃アルカリの分子構造は、不可逆というわけではないようです。

では、ついでに実験。pH<0 でオレンジ色になるということなので、濃塩酸にフェノールフタレインを加えてみました。
そうしたらこんな色に。こちらはうわさ通りでした。

動画でもどうぞ。

ここでまさかの外道ベイビー登場。