ダニエル電池なんですが
起電力は約1.1V。セオリー通りです。
これを、次のように表記することがたまによくあります。
(-) Zn | ZnSO4aq | CuSO4aq | Cu (+)
使った水溶液は硫酸銅(左)と硫酸亜鉛(右)です。
硫酸銅水溶液の方は、透析膜に入れていて、硫酸亜鉛水溶液のビーカーに透析膜ごと入れてダニエル電池としています。
ここで、硫酸銅水溶液と硫酸亜鉛水溶液は、透析膜で分けられていることになります。
この透析膜、なんか意味があるのでしょうか。
透析膜で硫酸銅水溶液と硫酸亜鉛水溶液が完全に隔離されているならば、最初から2つの水溶液を別々にしてもいいはずです。
バリバリ1.1Vの起電力でプロペラモーターを回転させているダニエル電池から、硫酸銅水溶液と硫酸亜鉛水溶液を離してみたらどうでしょうか。硫酸銅水溶液の入った透析膜をビーカーから抜いてみましょう。結果は動画をご覧ください。
抜いたらプロペラの回転が止まってしまいました。2つの水溶液は離れているとダメなんですね。ということは、透析膜の両側で何らかのやり取りが行われていることがわかります。
何が行われているかは、 【化学変化と電池09】化学変化と電池(5) ダニエル電池の仕組み をご覧ください。
で、もう一つ、 透析膜を使わず、硫酸銅水溶液と硫酸亜鉛水溶液を混ぜた水溶液でやってみよう。
ちなみに金属板はしっかり磨いて金属光沢出しておきました(伏線)
で、混合した水溶液でどうなるか、動画で見てみましょう。
まわる まわるよ じ○いはまわる~♪
新品価格 |
ってことでなんだ、一応は回る、電流を取り出すことはできるんじゃないですか。
でもですねぇ。亜鉛板に異変が!
灰色に光った亜鉛板に茶色いものがべったり!
こいつを削ってこすってみると茶色い金属光沢がみえます。つまり、金属銅ですね。
はい、また3日ほど放置プレイしてみました。当然止まっています。
もはや銅イオンの青はない代わりに金属銅が沈んでいます。
透析膜で分けておけば銅板のみに銅がつくはずだったのですが、亜鉛板にもたくさんとられてしまっています。透析膜で分けておけば、銅板に付着して電気エネルギーを取り出すことができたのにね、もったいない…。
2つの水溶液を混ぜてしまうと電気エネルギーを取り出す効率が悪くなるということですね。とはいえ、まったく電流が流れず、電気エネルギーを取り出すことができない、というわけでもないことも実験で確認できました。
おまけ
シャーレ型でもやってみました。
コメント