さて、前回最後に出てきた課題をみていきましょう。
課題:タマネギの根が伸びる現象は細胞レベルで見るとどうなっているのだろうか。
じゃあタマネギの根を細胞レベルで観察してみましょう。
ということで、まずは、タマネギの根の永久プレパラートを顕微鏡で観察します。
タマネギの根はどんな細胞になっているでしょうか。〇のついた部分を上から見ていきましょう。
4つの画像は全部同じ倍率です。
ということは上の方は細胞が細長いけれど、先端の方はやたら細胞が細かいです。
で、先端の細胞をよく見ると、核が変になっているものがみられます。
まるい核ではなくなんか紐の束みたいなものがみられる細胞があります。この紐みたいなものは染色体といって、1個の細胞が2つに分かれる細胞分裂の途中にみられます。で、その紐みたいな染色体も1か所にグチャってなってるものもあれば、2つに分かれているものもありますね。どうも細胞分裂にはさまざまな段階があるようです。
一方、根の先端から離れたところを見ると、根の先端付近に比べて、細長くなっていますが、染色体がみえるような、すなわち細胞分裂の最中、っていう細胞は見られません。
これらの観察結果を前回の観察でわかったこと、すなわちタマネギの根は先端だけが伸びていることと組み合わせると、タマネギの根が伸びるという現象は、細胞レベルで見るとどうなっているかがわかってきます。
①先端で、細胞が分裂する
②根もと側の細胞は細胞そのものが大きくなっている(伸びる)
結論:先端に近い細胞が分裂して数が増え、増えた細胞が大きくなることでタマネギの根が伸びる
そして、今回観察したような体を作る細胞が分裂する細胞分裂を体細胞分裂と呼びます。
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