0992 活用型問題演習「木炭電池」

3年生の中間テストの試験範囲がイオンのところだったので、国立教育政策研究所が出している、平成27年度 全国学力・学習状況調査 授業アイディア例にある、「木炭電池で豆電球を明るく光らせよう」という授業アイデア例をもとにしたテスト問題を作ってみました。
さぁみんなで考えよう.!by逸見政孝

ちなみに授業でもこれとほぼ同じ内容でやったんですがね。その後日談があの発見につながっていくのです。


ある中学校の3年生の理科の授業で、「豆電球をより明るく光らせるには,木炭電池をどのように改良したらよいだろうか。」という課題のもと、班で探究活動が行われました。
この中で、A班は、ある改良点を意識して、1つの仮説を立て、次のような実験の計画を発表しました。

【A班の発表】
「図1から図3のように,( ① )だけを変えて,( ② )や( ③ )を変えずに,実験を計画しました」。

先生「A班の立てた仮説は何ですか。」
A班「A班では『     ④     』という仮説を立てました。」
先生「それならこの方法で仮説を検証できますね。」

問1  ① ~ ③ には次のア~ウのいずれかが入ります。①にあてはまるものはどれか。
  アルミニウムはくの大きさ   木炭の種類   食塩水の濃度
問2  ④ にはA班の立てた仮説が入ります。図1~図3をもとに、どのような仮説を立てたのか、書きなさい。

 B班では、「食塩水を濃くすると,豆電球が明るく光る」という仮説を立て、実験をし、次のような結果を得ました。

【B班の結果】 
 食塩水の濃度を変えたときの豆電球の光り方(ペーパータオル 1枚)

問3 B班のメンバーが、結果を見て気がづいたことなどを話し合っています。その中で、仮説に対しする考察として最も適切なものは次のア~オのうちではどれですか。
  10%の食塩水では、豆電球は光らないが、電流は少し流れている。
  食塩水の濃度が10%未満では、豆電球は光らないはずだ。
  濃度が10%から20%のどこかで、豆電球は光りはじめる。
  食塩水を濃くすると,豆電球がより明るく光る。
  飽和した食塩水の濃度は約26%である。

 C班では、「ペーパータオルを重ねる枚数を増やすと,豆電球が明るく光る」という仮説を立てた実験の結果と考察について、次のように発表しました。

【C班の結果】
  ペーパータオルの枚数を変えた
  ときの豆電球の光り方
  (食塩水の濃度 10%)


【C班の考察】
C班では,ペーパータオルの枚数を増やしてみましたが,豆電球は光りませんでした。C班の仮説は成り立ちませんでした。
 豆電球を光らせることに,ペーパータオルの枚数は関係ないと考えます。

問4 C班の発表を聞いたB班の一人は、自分の班の実験結果をもとに、C班に実験方法について一つの改善案を提案をしました。どのような提案をしたと考えられますか。書きなさい。

解答・解説編

解答例
問1 ア
問2 アルミニウムはくを大きくすると,豆電球が明るく光る。
問3 エ
問4 飽和食塩水で実験する。

解説
問1
図1・図2・図3を比べて違うものはアルミニウム箔の大きさである。

問2
アルミニウム箔の大きさを変えていることで、独立変数は「アルミニウムはくの大きさ」
「豆電球をより明るく光らせるには…」という課題なので、従属変数は「豆電球の明るさ」
したがって、「アルミニウムはくを大きくすると,豆電球が明るく光る。」という仮説を立てたことが推定できる。

問3
ア、イ、ウは確かにそのように推定できるし、オも結果から読み取れるが、「食塩水を濃くすると,豆電球が明るく光る」というB班の仮説を検証した結果を表現しているものはエ「食塩水を濃くすると,豆電球がより明るく光る。」である。

問4 
C班の実験結果の濃度10%でペーパータオルが1枚のとき、豆電球がつかない、という実験は実はB班もやっている。
そのB班はペーパータオルが1枚のまま、濃度を20%に上げたり飽和させたりすると、豆電球がついている。
したがって、濃度20%(もしくは飽和)でペーパータオルが1枚、5枚、10枚と変えていき、豆電球の明るさがどうなるかを検証すればよい。