2016年度の6月、12月、3月に、透明半球を使って太陽の日周運動を記録したのですが、その時のデータ処理がまだでした。
ちなみに9月の秋分の日のデータがないのは、この時期10月上旬までず~っと曇ってたからですorz
今更ですがこのデータ処理をやってみましょう。
6月。夏至をイメージしたのですが、ちょうどこのころ梅雨でずっと雨が降っていて、6月27日にようやく観測できました。
で、透明半球の太陽の軌道に合わせてひもを重ね、点のところをマーカーで印をつけます。
日の出、日の入りの位置も印をつけます。
そして、日の出の位置を0cmとして、観測時刻ごとに日の出の位置からのひもの長さを測り、表にまとめます。
教科書なんかでは表から1時間ごとの太陽の動いた距離を求める処理をするのですが、観測自体が正確に1時間おきにできるわけでないので、結構めんどくさそうな計算をしなくてはなりません。だったらこれも苦手な人は苦手かもしれないけど、グラフにするという手もありそうです。
これを横軸を時刻、縦軸を日の出からのひもの長さとして、グラフに表します。日の入りについては、時刻がわからないのでここでは点を取りません。でも、18.1cmというデータはあとで使います。
多少の点のばらつきがありますが、ほぼ直線に沿っていることがわかります。
横軸が時間、縦軸が距離で、直線になっているということは、どの1時間でも同じくらいの距離移動しているということですから、ずっと同じ速さで太陽は動いたということがわかります。
さて、その直線を両側に伸ばしてみましょう。
直線を左側に伸ばすと、横軸、つまり「ひもの長さ」が0cmのところにグラフが交差します。このときの時刻こそ、日の出です。4時45分から50分ごろでしょうか。
そして、この縦軸はわざと18.1cm、つまり日の入りの時点でのひもの長さで切ってあります。それと右に伸ばしたグラフがぶつかるのが18時35分から40分ごろ。これが日の入りの時刻となります。
国立天文台のサイトに日の出・日の入りの時刻があるので2016年6月27日の東京の日の出、日の入りの時刻を確認すると、日の出が4:27、日の入りが19:01です。少し短かったようです。
そっか、1mmの誤差が大きくなるという意味では、透明半球は大きいもののほうがいいのかと。今回は直径120mmのものを使いましたが、直径215mmのものもありますね。
同じように12月21日、冬至ではどうでしょうか。
グラフからは日の出、日の入りがそれぞれ6時50分、16時10分ごろと読み取れます。暦データでは2016年12月21日の日の出、日の入りはそれぞれ6時47分、16時32分ですから、日の出は正解といっていいでしょう。日の入りはちょっと惜しかった。
そして3月は2019年3月28日に観測しました。
グラフからは日の出、日の入りがそれぞれ6時10分、17時30分ごろと読み取れます。暦データでは2017年.月28日の日の出、日の入りはそれぞれ5時34分、17時59分ですから、ちょっとずれてしまいました。
ずれはありますが、グラフとしては結構きれいな直線なので、系統誤差ということになります。毎時間透明半球の位置がずれずに点を正確につけたか、透明半球にひもをぴったり付けたか、特に日の出日の入りの位置は透明半球のプラスチックが曲がっていたから印を正確な位置につけにくいこと、などが原因と考えられます。
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