2015年宮城県立高校の入試問題から。
図2は,太陽のまわりを公転している地球のようすを 模式的に表したもので,日本の春分,夏至,秋分,冬至 のときに,地球はA~Dのいずれかの位置にあります。また,図3 は,仙台と那覇(沖縄県)における,1 年間の太場の南中高度の変化を表したものです。次の(1) ~ (3) の問いに答えなさい。
(1) 日本が冬至のときの地球の位置を,図2のA~D から1つ選び,記号で答えなさい。
(2) 図3において,同じ日における仙台と那覇との太陽 の南中高度の差に等しいものを、次のア~エから1つ選び,記号で答えなさい。
ア 標高の差 イ 太陽までの距離の差 ウ 緯度の差 エ 経度の差
(3) 同じ日における,日の出から日の入りまでの時間を仙台と那覇で比べたとき,およそ半年間は仙台の方が長くなります。この半年間とほぼ一致するものを,次のア~エから1 つ選び,記号で答え なさい。
ア 地球がAの位置にあるときからの半年間 イ 地球がBの位置にあるときからの半年間
ウ 地球がCの位置にあるときからの半年間 エ 地球がDの位置にあるときからの半年間
(1)はC (2)はウ これらは瞬殺だし、これだけだったらわざわざこのブログで取り上げようとは思いません。
そう、問題の問題は(3)です。
ピタッと手が停まったんじゃないかな。私も初見のときにザーッと読んでいた中でピタッと止まりました。
ま、私が作問するんだったら、「貴様には地獄すら生ぬるい!!」とか言って
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同じ日における、日の出から日の入りまでの時間は、仙台と那覇で比べたときで、どうなりますか。次のア~オのうちから一つ選びなさい。
ア 一年中同じ長さである。
イ 一年中仙台の方が長い。
ウ 一年中那覇の方が長い。
エ 春分から秋分までは仙台の方が、秋分から春分までは那覇の方が長い。
オ 春分から秋分までは那覇の方が、秋分から春分までは仙台の方が長い。
なんて出題するな。だって、直感的に「ウ」とか思わない?暖かい那覇の方が昼間は長いだろうとか思って。
この答えを知識として知っているという人は、そうそういないでしょう。私も知りませんでした。
もちろん、理科年表とか国立天文台のサイトで調べられれば、具体的なデータが得られるでしょうが、それこそ試験中のように自分の頭しか頼れない場合、どう考えたらいいのでしょうか。
私は、こう考えて答えを出しました。
仙台と那覇は(2)の答えからもわかるように「北」と「南」の代表として登場している。
ならば南北の差をもっと派手にすればもっと顕著に日の出から日の入りまでの時間に違いが出るだろう。
では北の仙台の代わりに北極、南の那覇の代わりに赤道で考えてみよう。
北極は夏には白夜で24時間太陽が沈まず、冬は極夜となり、太陽は出ない。
一方赤道は年中昼夜が仲良く12時間ずつだ。
つまり夏(春分から秋分まで)は「北」の方が昼間は長く、冬(秋分から春分まで)は「南」の方が昼間は長い、というわけさ。
このような、思考法の一つとして、条件を思いっきり極端にして考える、といういうなれば「極端思考」って、なんか使えないかな~と思っています。
とりあえず、斜面を下る運動で、斜面の角度を究極に大きく90度にすると自由落下になる的な具体例も集めてみたいです。
また、条件を極端にふることで、通常時と定性的に違う現象が起こりだしたら、どこかでターニングポイントがあるのか、実は今まで見落としていた要素が無視できなくなり顕在化するのか、探ってみると、何か発見できそうです。
でもまだまだぼんやりしたアイデアの種です。
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